9年ぶりの優勝は逃したが…。巨人は18日の楽天戦(東京ドーム)に1―2で逆転負け。鬼門と化していた交流戦を11勝7敗で終え、4年ぶりの勝ち越しを決めた。故障明けの菅野らが復帰したことも大きいが、貯金4を稼ぐ結果に球団内は喜びに沸いた。原辰徳監督(64)は宣言通りの「がまん采配」を地で行くだけでなく、時にはコーチ陣をもドン引きさせる〝非情采配〟で手綱を引いている。
有終の美は飾れなかった。復帰2戦目の先発・菅野が6回に2ランを被弾。初回に1点を先制した打線は決定力を欠き、2014年以来となる交流戦Vは目前で立ち消えとなった。
とはいえ、勝ち越しただけでも朗報だ。2015年以降では19年に次ぐ2度目の〝快挙〟。原監督は「交流戦中に戦力(が整いつつある)というか、形が少しできつつある」とペナント奪回に手応えを得た様子だった。
右ヒジの張りで開幕に出遅れた菅野がカムバックし、5月中旬に復帰した中川も軌道に乗ってきた。さらに、先発では期待外れに終わった新助っ人のビーディを中継ぎに配置転換。終盤の救援陣に安定感をもたらしつつある。球団関係者も「勝率5割で御の字だったのに勝ち越せたのは大きい。シーズン序盤は苦しんだが、先々を見据えてのこと。この結果は想定以上」と〝うれしい誤算〟に喜色満面だった。
まさに有言実行だ。原監督は開幕前に「まだ新しいチーム。私自身もがまんしながら戦う」と明言。象徴的だったのは、特攻ローテの回避だ。交流戦は早々と先発がコマ不足に陥り、初戦から「ブルペンデー」を敢行。戸郷らの登板間隔を詰めようとはせず、ベストコンディションで登板させることを最優先とした。
ただ、ひたすら耐えていたわけではない。どんな有望株であっても、時には勝負の厳しさを叩き込んだ。その一例が10日のソフトバンク戦(ペイペイ)。「3番・DH」で先発出場した秋広優人内野手(20)が空振り三振、投ゴロに倒れると、3打席目に立つことを許さなかった。3年目のホープとはいえ、中軸を任せてスタメンで送り出した男だ。それを4回で代打を送る非情采配…。大久保打撃チーフコーチは当時の内幕をこう明かす。
「あれはもう監督(の判断)です。秋広は前日から右肩が上がり、ちょっと(打撃が)狂いだしていた。打てなくなったオープン戦のころの秋広の打ち方になっていたことを、監督も見抜いていたんです」
原監督が鉄のオキテに掲げる一つが「実力至上主義」で、わずかな〝スキ〟を見せれば容赦はしない。しかも、同コーチによれば「知らない間に代打が出ていました。(グラウンドに)あ、ウォーカーがいるよって。すごい采配をしますよ」と思わず笑ってしまったほどの即断だったという。
貯金3のセ3位でリーグ戦再開を待つ原巨人。指揮官のギアも徐々に上がっていきそうだ。












