【グラゼニ球論・金村暁】阪神・伊藤将司投手(27)が11日の「みやざきフェニックス・リーグ」楽天戦(サンマリン)に先発登板し、5回3安打無失点。四死球0とこの日も抜群の制球力を披露し、18日に開幕するCSファイナルステージ(甲子園)へ向けて状態の良さをアピールしてくれました。
一つだけ不安があるとすれば、投球内容が良すぎて、5イニングで球数が57球と少なかった点。とはいえ、そこは大丈夫でしょう。
伊藤将の最大の長所は、決して大崩れすることのない安定感。85・7%のクオリティースタート率(6回以上自責点3以下)は、チームメートの村上と並びリーグ2位の好成績です。ポストシーズンの阪神の先発投手は村上、伊藤将、大竹の3投手が軸となることが濃厚ですが、伊藤将には過去3年間一軍で先発ローテを支え続けてきた実績があります。阪神首脳陣としても「最も安心してマウンドへ送り出すことができる投手」でしょう。
伊藤将の安定感を支えているものは何か――。全球種をコントロールする精密な制球力や、マウンド度胸も当然その一つなのですが、昨季まで阪神の投手コーチを務めていた立場として思うのはいい意味での〝鈍感力〟です。
グラウンドを離れると「おいおい、大丈夫かよ?」と心配になってしまうほど、会話が成り立たない〝ド天然キャラ〟。とはいえ野球脳は天下一品ですし、彼がマウンド上で慌てたり己を見失う姿は入団以来、見たことはありませんでした。マイペースな性格がとてもいい形で作用してくれているのでしょう。
何が起こるか分からないポストシーズンの短期決戦ですが、伊藤将が大舞台の雰囲気にのまれることは絶対にないだろうと断言できます。いつもと変わらぬパフォーマンスを披露してくれるはずです。
(本紙評論家)












