阪神・岩崎優投手(32)は今季60試合に登板し、3勝3敗35セーブ12ホールド、防御率1・77。自身初となる最多セーブのタイトルも獲得し、リーグ制覇に大きく貢献した。次の照準はCSファイナルステージ(甲子園)と、その先に待つ日本シリーズとなるが、今季最終盤に失点を重ねてしまったこともあり、一部からは蓄積疲労を指摘する声も出始めている。だが、本紙評論家の金村暁氏は、これら不安説を一蹴。ベテランの域に差し掛かりながらも進化を続ける背番号13が、猛虎を球団史上2度目の日本一へ導くと予言した。
【グラゼニ球論・金村暁】シーズン最終登板となった4日のヤクルト戦(神宮)で岩崎は1回途中を2安打2失点。セーブ機会に失敗してしまいました。確かに疲労はあったでしょうが、私は何も悲観していません。次の本番まで2週間の〝オーバーホール期間〟がありますし、それまでにはしっかりと状態を上げてくれるでしょう。
昨季まで私は阪神の投手コーチを務めていましたが、岩崎はある意味において極めて特殊な投手です。普通、ピッチャーという生き物は実戦間隔が空くと、精神的な不安や、感覚の狂いに悩まされてしまうものなのですが、彼にはそれが一切ないのです。「投手としての絶対音感を備えている」とでも表現すればいいのでしょうか。だからこそ、リリーフ投手として長年活躍できているのでしょう。
そんな彼だからこそ、CSファイナルステージまでの〝空き時間〟は、この上ないリフレッシュの好機です。実戦登板もブルペン入りも最小限に抑えながらコンディションの調整に専念し、万全の状態でポストシーズンに臨んでくれるでしょう。
今年で32歳となった岩崎ですが、その投球術はまだまだ進化しています。昨季までは疲労がたまればたまるほど目いっぱいに腕を振り、高めに浮いてしまった直球を痛打されてしまうケースが多かったのですが、今季はひと味違いました。連投で疲労が蓄積していたであろう時期に、多用していた球はチェンジアップ。それも110キロ前後、125キロ前後、135キロ前後の3種類を投げ分けていたのではないかと私はネット裏から見ていました。
「疲れているから力む」のではなく「疲れているからこそ抜いた球で勝負する」。チームの勝敗を背負った9回のマウンドでこれだけの肝が据わった芸当ができたからこそ、素晴らしい成績を残すことができたのでしょう。持続可能なピッチングを身につけた岩崎は今後も長く阪神のブルペンを支えてくれるはずです。(本紙評論家)












