涙をこらえザンゲした。ソフトバンクが3日の楽天戦(ペイペイ)に7―3で快勝。本拠地最終戦で白星を飾り、貯金を3とした。CS圏を争う楽天に連勝。この日は〝一人勝ち〟で3位・ロッテに1・5ゲーム差、4位・楽天に2ゲーム差と頭一つ抜け出した。

 ただ、青写真からはかけ離れたシーズンとなった。昨季は微差でリーグ優勝を逃し、異次元の大補強が敢行された。王貞治球団会長は「今年は10ゲームくらい離すんだという強い気持ちを持って戦いたい」とぶっちぎりVを宣言。シーズン序盤こそ快調に白星を重ねていた。

 ところが7月に12連敗を喫して首位から転げ落ちると、逆にオリックスに独走Vを許した。

 藤本監督の重圧も相当なものだった。当初より「すごくプレッシャーはある。これだけ会社(フロント)がやってくれてるんだから絶対に勝たないといけない」と臨んだ就任2年目。まさかの大型連敗の際はチームに焦りが生まれ、ベンチが動いたことが裏目に出る悪循環にもはまった。

ファンにサインボールを投げ込む藤本監督
ファンにサインボールを投げ込む藤本監督

 連敗中、連敗直後は不振の選手も多かった主力頼みの戦いとなった。今季のV奪回に期待していたファンからは、ネット上などで厳しい声が上がった。その一方で指揮官の置かれている状況を理解し「もっと若手を起爆剤として使ったらどうかという意見もあるだろうが、勝たなければいけない中で追い詰められ、コンサバ(保守的)な選択肢になるのは仕方のないこと」(球団関係者)と同情の声もあった。

 最終セレモニーでスピーチに臨んだ藤本監督は「昨年、優勝まであと一歩に迫り、今年こそはと挑んだシーズンでしたが、V奪還…」と話したところで感極まって言葉が出ず。スタンドから「頑張れ!」と声援と大きな拍手が沸き起こる中で、14秒間の沈黙後に「V奪還できませんでした」と声を振り絞り「本当に申し訳ございません」と頭を下げた。

 残りは2試合。それでも2位でのCS進出が見えている。悔しさにまみれた鷹の指揮官は「ただ、まだ戦いは続いています。必ずCSに出場して、下克上して(日本シリーズで)ここに戻ってきます」と雪辱に燃えている。