「熱男」の第2章は――。巨人・松田宣浩内野手(40)が28日に都内で開かれた自身の引退会見に出席。18年間のキャリアで1832安打、301本塁打の打棒はもちろん、類まれなリーダーシップへの評価は高い。早くも将来の指導者として各方面から大きな期待が寄せられている。

 万感の思いがこみ上げた。昨オフに巨人からオファーを受けた際のやり取りを振り返っていた時だった。「原さんから『ムードメーカーではなく戦力として考えている』という…」と話すと言葉に詰まり、涙がこぼれ落ちた。新天地で迎えた今季は出場11試合。悔しさを残しながらも、自身の野球人生については「〝100熱男〟です。100点満点」と胸を張った。

 ソフトバンクではリーダーとして常勝軍団をけん引。侍ジャパンでも先頭に立ってチームを引っ張ってきた。気になる今後について、本人は「家族も支えてくれたので今後はサポートしてもらう側からする側。2人の子ども、妻のために」とまずは家族との時間を大切にしたい考え。その上で「野球界の松岡修造さんみたいに熱い男になれるよう、次のステップに進んでいければ」と目標を掲げた。

 松田に近い関係者によれば、当面は解説者などを務めながらグラウンド外から野球を勉強していくつもりだという。ただ、これだけの実績と存在感を放った松田だ。周囲は本人の意向を尊重しつつも、いつまでも放っておくことはなさそうだ。巨人関係者によれば、松田の獲得に踏み切ったのは「指導者としても期待して契約した」という。

 その片りんは、長く続いてしまった二軍生活で早くも垣間見せていた。親子ほども年齢が離れた若手からの質問にも積極的に答え、ドラフト1位・浅野翔吾外野手(18)には打撃の動画を撮影して助言も送っていた。〝松田打撃コーチ〟からの教えに、浅野は「自分より自分の動画を見てもらっている。次の日に会ったら『翔吾、昨日のあれ良かったな』とか言ってくれる。バッティングに生きている」と感謝するばかりだった。

 また、侍ジャパンでも共闘し、会見にサプライズ登場した坂本も後輩への好影響を「野球的なところだけじゃなく、違うところも見習うところがあったと思うので、それは間違いないです」とキッパリだった。

 もちろん、巨人だけではなく、17年間在籍した古巣・ソフトバンクからのオファーも考えられる。ひとまずユニホームを脱ぐ「熱男」だが「野球が大好き」と情熱が衰えることはない。野球界への恩返しとして、再びユニホームに袖を通す日も遠くないかもしれない。