阪神・岡田彰布監督(65)が今季のチームスローガンに掲げた「アレ」は今やチーム内外で大流行。指揮官の口癖から着想を得た、リーグ優勝を意味する至高の2文字は今秋、18年ぶりとなる歓喜の胴上げという形で見事に結実した。

 優勝セレモニーのインタビューで岡田監督は「今日で『アレ』は封印。日本一を意味する言葉はまだ決めていないので、もし何かいい言葉があったら教えてほしい」とファンヘあいさつ。以降、虎党たちの間からは「ソレ」「アソコ」「アチラ」などの新案が大喜利大会のごとく続々と提案されている。

 ところが、涙の美酒から2週間が経過しても、球団サイドから〝新スローガン〟の発表はないまま…。28日に新大阪駅で報道陣に応対した岡田監督は「まだそんなん俺は決めてないわ(笑い)。今からええの決まってもグッズつくれんからな。球団も金もうけでけへんよ。『アレのアレ』でもええやんか。なんでもええよ」とニヤリ。そもそもは、20代の選手が大半を占める若い虎ナインたちが「過度に優勝を意識し過ぎないように」との思いからつくられた言葉。シーズンを通し、選手個々がたくましく成長した今となっては「アレ」も「アソコ」も「アチラ」も不要なのかもしれない。

 それでもやはり気になるのは、1年間で最も流行した言葉に関わった人物、団体に贈られる「流行語大賞」に「アレ」が選出されるかという点だ。2022年には3冠王に輝いたヤクルト・村上の「村神様」。21年には「リアル二刀流/ショータイム」(エンゼルス・大谷)。16年には「神ってる」(当時広島・緒方監督、鈴木)。15年には「トリプルスリー」(ソフトバンク・柳田、ヤクルト・山田)が同賞を受賞。直近10年で4度も野球関連のワードが選出されている点は興味深い。

 にもかかわらず、1991年に同賞が制定されて以降、阪神球団に関連する言葉が選出されたことは一度もない…。春先からこっそりと流行語大賞選出を狙っていたという球団関係者は「やはりあともうひと押し、世間に対するインパクトが必要。そのためには日本一になるしかない」と鼻息を荒くしている。

 歴史的に見れば、いい時期よりもつらく苦しい時間の方が圧倒的に長かった西の老舗人気球団。そんなんオマエ、今年くらいは、おいしいところを全部もっていってもええやんか。そらそうよ。