中日の育成選手でキューバ出身のペドロ・レビーラ内野手(24)が行方不明となり、波紋が広がっている。全米野球記者協会に所属するフランシス・ロメロ氏は26日(日本時間27日)にレビーラがキューバ野球連盟との関係を絶ち、メジャー球団との契約を目指して亡命したとX(旧ツイッター)で発信。一方の中日も、この日にレビーラが名古屋市内から失踪していることを明らかにした。球団内では相次ぐキューバ選手の亡命騒動に〝中南米ホットライン消滅〟が懸念されている。
シーズン最終盤で立浪竜に衝撃が走った。レビーラは26日のナゴヤ球場での二軍練習を無断欠席。全日程終了後の10月4日に出国する予定だったが、名古屋市内の一人暮らしの自宅からこつ然と姿を消してしまった。
この日、遠征先の甲子園球場で加藤宏幸球団代表はレビーラと音信不通となっていることを認め「現在も所在を突き止めるべくやっているが、今の段階では連絡が取れていない。国内にいるのか、海外にいるのかを含めて分からない」。すでに日本の大使館を通じてキューバ政府に連絡を取り、警察にも相談している状況という。
これにチーム関係者は「レビーラは何てことをしてくれたのか。今年はロドリゲスの件もあるし、これでは中日が〝亡命のための通過点〟として他のキューバ選手たちに思われてしまう。せっかくここまで開拓してきたキューバ政府とのパイプにも亀裂が入りかねない。来季が3年契約3年目のマルティネスの契約にも影響が及ぶ可能性だってあるかもしれない」と危機感を口にする。
中日では今年3月にも第5回WBCでキューバ代表メンバーだったジャリエル・ロドリゲス投手(26)がメジャー移籍を目指して亡命しており、これで今年2人目。関係悪化によって「中日伝統」とも言えるキューバとのホットラインが消滅する事態に発展することにでもなれば、来季以降の戦力編成にも大きな影響を及ぼす可能性も出てくる。
レビーラは2021~22年のキューバ国内リーグで打率3割1分3厘で26本塁打を放ち、本塁打王を獲得。ロメロ氏は「24歳の彼にはパワーがあり、おそらくMLBの複数チームから注目を集めるだろう」としている。
しかし、別の中日関係者は「今年は二軍でも打率1割台(1割8分8厘)と結果を残せていないのにメジャーで通用するほど甘くないはず。メジャーで実績のあるアキーノが日本で苦しむ姿を間近で見て『米国なら活躍できるかも』と勘違いしてしまったのかな。まじめな選手だと思っていたのに残念」という厳しい声もある。
いまだ支配下契約を結んだままのロドリゲスに対し、育成契約のレビーラは今季限りで契約解除の可能性もあり、戦力的に大きな影響はないとみられる。しかし、加藤代表は「支配下枠は関係ないが不明になったということは、そう簡単に片づけられる問題ではない」と困惑を隠せない。
思わぬ〝警察沙汰〟の勃発に立浪監督も頭を抱え込んでいるのは間違いないだろう。今年2度も起きた「キューバ危機」を中日はどう乗り越えるか。












