オリックスが無敵のリーグ3連覇を果たした。今季も主力選手のみならず、開幕投手を務めてローテーションの一角を担った高卒3年目の山下舜平大投手(21)をはじめ、育成枠出身の茶野篤政外野手(24)、東晃平投手(23)らの若手が頭角を現して勝利に貢献したが、毎年のように新星が出現する理由はどこにあるのか。他球団がうらやむオリックスの〝スペシャル育成プラン〟の秘密を探った――。
投手陣は山下が9勝を挙げ、昨年7月に育成から支配下登録された東も7月30日の日本ハム戦から無傷の6勝を挙げるなど無双モード。野手陣も開幕直前に支配下を勝ち取った茶野が6月1日の広島戦(京セラ)でプロ1号となる満塁弾を放つなど、前半戦で存在感を示した。
さらに、育成出身助っ人のセデーニョ内野手(25)も7月16日のソフトバンク戦から4試合連続本塁打の爆発でチームを勢いづけた。昨年は剛腕リリーフ・宇田川優希投手(24)が7月に支配下登録されると連覇に貢献し、今年3月のWBCにまで選出された。
コンスタントに若手選手の才能を開花させる秘訣はどこにあるのか。まずは中嶋監督の指示で3年前から始まった基本トレーニングだ。一、二軍の野手、二軍投手を中心に週1度、試合前の朝とオフ前日の試合後に〝特別メニュー〟を取り入れ、若手選手の技術向上を図っている。
投手は両肩に平行に乗せたバーに両手をかけたまま投球動作を繰り返すことで、力の入れ方を体で覚えられたといい「これをすることでフォームが狂った時に思い出すことができる」(宇田川)。野手もメディシンボールやバーを使った練習メニューで、打撃で力を入れるポイントを身につけており、選手からは「正直めっちゃキツかったですが、ためになっていると思います」との声が上がっている。
辻打撃コーチは「基本を忘れないように継続してやっている。普段は縛りつけず、細かく言い過ぎず、個性を伸ばそうということでやっていますが、このトレーニングの時だけは若手を引っ張っていこうと意識している」と明かし、中垣巡回ヘッドは「運動量のコントロールや、ケガ予防のトレーニングなどが、どういうものかを時間をかけて理解してもらう。必要と考えたことを続け、実戦でどう発揮していくのかが大切」と意図を説明した。
特に今季終盤に頭角を現した東は育成時代、体力や柔軟性が足りていなかったといい「どこまで伸びるか〝天井〟が予測できなかったし、あそこまでいくとは思っていなかった。クセのない分、これだけはやると方針を決めてトレーニングを重ねたので、総合的なパフォーマンスが上がったと感じる」(中垣ヘッド)。
さらに、松井外野守備・走塁コーチも最大限のパフォーマンスを発揮させられるように指導に当たってきた。
「いかに試合の中で経験して、それを自分のモノにできるかが大事なこと。だから二軍の試合で仮に失敗しても、言い訳をせずに、自分が準備した中で次のプラス材料になったり、根拠のある失敗をするのは全然オッケーと伝えています。臆病にならないように思い切って攻めて、ゲームでどうだったかということを選手と常に話し合っている」
特別メニューを継続させながら選手自身に考えさせ、失敗を恐れずに試合に臨ませる。来季は絶対エース・山本がメジャー挑戦で不在となることが濃厚だが、オリックス流の育成法でまたぞろ生きのいい新星が出現するかもしれない。他球団もうらやむ育成マニュアルで新時代を築いていく。












