日本ハム・郡司裕也捕手(25)の起用法を巡り首脳陣が試行錯誤を繰り返している。
今季途中に中日からトレードで加入した郡司は、移籍直後から打撃が好調。新庄剛志監督(51)はこの打撃力を生かそうと、本職の捕手だけでなく一塁、外野に挑戦させている。
さらに指揮官は「いろいろなポジションを守れたほうがいいから」と19日の西武戦(ベルーナ)では郡司を二塁スタメンに抜てき。これには本人も試合前から「幼少期から、遊びでもセカンドはやったことがないので…。起用していただけるのはうれしいんですけど正直、守備に関しては不安しかない」と涙目で語っていた。
そんな郡司だったが、初スタメンの二塁守備は予想以上に安定感抜群。6回途中の交代まで無難に守備機会をこなし、適応力の高さを見せつけた。となれば、今後の郡司の「正二塁手」も現実味を帯びるのかと思われがちだが、その可能性は限りなく低そうだ。
要因の一つに挙げられるのが「投手への心理的負担」だ。
この日のようにシーズン終盤のいわゆる「消化試合」であれば、守備に不慣れな選手が就いても投手に大きな負担はかからない。だが、シーズン真っただ中で勝利を確実に奪いたい試合で、守備に不安を抱える選手がいればマウンドの投手は気を使う。
特に内野ゴロを打たせてアウトを積み重ねる軟投派投手などは、内野を含めたより強固なセンターラインが不可欠だ。そんな背景を考慮すると、いくら打撃がウリの郡司とはいえ、今後の二塁守備は限定的になると言わざるを得ない。
ある球団OBも先日、郡司の二塁抜てきに関してこう話していた。
「今回の起用は来季を見据えた攻撃優先時の試みにすぎない。1点を守り切る野球を目指す新庄監督は守備の重要性を理解していますからね。投手や周囲の野手への負担を考えても来季以降、郡司を本格的に二塁に転向させることはしないでしょう」
加えて「それより今回の抜てきは他の二塁手候補への刺激の意味合いのほうが大きいはずです。チームには石井や上川畑ら正二塁手として活躍できそうな選手はいますから。今季、三塁を清宮に奪われた野村もその一人。郡司を起用しながらそういった選手にもっと発奮してもらいたい。首脳陣にはそんな思惑もあるので、郡司の起用法と来季の二塁手問題は今後も続くはずです」。
郡司が二塁を守れたことはチームにとって収穫だが、来季こそ浮上をもくろむ日本ハム。まだまだ課題は多い。












