阪神が12日の巨人戦(甲子園)で1―0と勝利し、9月全勝となる一気呵成(かせい)の9連勝。2位・広島が敗れたため、悲願の〝アレ〟へのマジックはついに「3」。最短14日巨人戦(甲子園)での本拠地胴上げもいよいよ現実味を帯びてきた。18年ぶりとなる悲願達成がほぼ確実となった中、次なる焦点は1985年以来、球団史上2度目となる日本シリーズでの〝アレ〟。本紙評論家の伊勢孝夫氏がキーマンとして指名したのはやはりあの規格外男だった――。
【新IDアナライザー・伊勢孝夫】今月だけで9つの貯金を積み重ねた岡田阪神のリーグ制覇は言うまでもなく確実だろう。少し気が早いと言われるかもしれないが、私の興味は自然とポストシーズンの動向へと向かっている。投打ともに盤石の布陣をそろえた阪神は、相手が広島であろうとDeNAであろうと巨人であろうと、アドバンテージのあるCSファイナルステージを楽々と突破する。問題はその先のパ・王者と激突する日本シリーズだ。
9日のロッテ戦(ZOZOマリン)で自身2度目となるノーヒットノーランを達成した山本由伸(オリックス)を筆頭に、佐々木朗希(ロッテ)、山下舜平大(オリックス)らセ・リーグにはいない段違いの剛速球を投じるスーパーな投手がパにはそろう。彼らを打ち崩すことができる阪神の打者は佐藤輝明内野手(24)しかいないと私はみている。
月間打率3割ジャストをマークした8月に続き、9月も2割8分1厘と好調を持続。一時の不振時に比べてみればその違いは一目瞭然で、ボールを見送る時の姿勢、体勢が違う。6、7月の悪い時は右ヒザ、右腰が開いてしまっていたが、今はしっかりと閉じることができている。体の開きがないからこそタメを作って150キロを超える速球にも対応が可能になる。この日は3打数無安打に終わったが、それは相手先発・山崎伊のデキが良すぎただけのこと。現時点で心配な要素は何もない。
とはいえ、彼の最大の弱点は好不調の波が激しすぎることだ。リーグ制覇を達成し、最低限の目標である20本塁打をクリアした瞬間、プツリと緊張の糸が切れ悪い状態に逆戻りしてしまう恐れがある。打撃コーチ陣の細やかなチェック、助言は必須になるだろう。
この状態をキープし、日本シリーズも勝ち切ることができれば今度こそ佐藤輝は長距離打者として一皮むけることになるだろう。毎年30本塁打以上をマークし、本塁打王争いの常連になれるはずだ。そういう意味でも秋の彼に注目したい。
(本紙評論家)












