【グラゼニ球論・金村暁】あらためて、ハイレベルな争いとなる予感がします。阪神は8日から本拠地・甲子園で2位・広島との3連戦。アレ(優勝)に向け、ラストスパートに入りますが、同時に岡田監督は〝先々〟にも視線を向けていることと思います。週明け12日からチームは7連戦、19日の休養日を挟み今度は8連戦と大型連戦に突入することで、多くの先発投手が必要となる段階に差しかかります。とはいえ頭数に困るというわけではなく、むしろ、この2回の連戦中のメイン作業は来るクライマックスシリーズ(CS)へ向けての先発陣の見極めになるはずです。

 すでに岡田監督も明言しているように、この2度の大型連戦中は6日までの中日戦に先発した西勇、才木、広島3連戦に予定される村上、大竹、伊藤将の現状の先発5人に加え、3連勝中の青柳と、ファームから登板機会をうかがっていた西純、富田、ビーズリーらも加わることが予想され、言うなれば、CSの先発枠をかけたアピール合戦になるはずです。

 来るポストシーズンへ向けての先発枠は現状では防御率のタイトルを争う村上、チームトップの3完投の伊藤将、2人と並ぶ9勝の勝ち頭・大竹の3人は確定。残りの枠を争う構図かと思われます。仮に1位通過でCSファイナルを迎えた場合は6試合。多く見積もっても残り3枠、2枠で十分の狭き門に5人以上の候補がいることを踏まえれば、残り21試合において早々とアレ(優勝)を達成したとしてもチーム内競争は依然、継続する可能性は高いはずです。

 先発陣の防御率はリーグ唯一の2点台。7、8月は3点台とやや落ち気味の傾向にあったものの9月の5試合は、1点台と再上昇しました。先発陣において最も豊富なキャリアを持つ西勇や昨季の投手3冠の青柳の昨季までの2本柱でさえ、ポストシーズンが安泰ではないこの状況は逆に言えば、今シーズンのさらに層を厚くした先発陣全体の成長やレベルアップと言えるはずです。

(本紙評論家)