これで世界と戦えるのか…。日本ラグビー協会は15日、W杯フランス大会(9月8日開幕)に臨むメンバーを発表。4大会連続代表となるフランカーのリーチ・マイケル(34=BL東京)、キャプテンに就任したフランカーの姫野和樹(29=トヨタ)らが選ばれた。2019年日本大会の8強を超える成績を目指す一方で、4年前の躍進を象徴したフレーズ〝ワンチーム〟化が進んでいないという。どういうことか?
この日はW杯登録メンバー33人のうち30人を発表。都内で会見に臨んだジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC=53)は「ケガをした選手で判断できない部分がある」と説明した。残る3人はFWから選ぶ見込みだ。
候補の一人であるフランカーのピーター・ラブスカフニ(東京ベイ)は、負傷明けで先発した5日のフィジー戦で序盤に一発退場となり、3試合の出場停止処分(変更の可能性あり)を受けた。また、身長201センチのフィジカルを期待されるロックのワーナー・ディアンズ(BL東京)は肩と左足首を痛めている。ギリギリまで状態を見極めるようで、指揮官は決断の時期について「分からない」と笑顔ではぐらかした。
W杯に向けた7~8月の国内強化試合5連戦は1勝4敗。厳しい現実を突きつけられたチームにとって、メンバー確定の先延ばしは手痛い。それでも指揮官は「ゴールは、しっかりと試合に勝っていき優勝すること。まずはトップ8に行きたい」と宣言。姫野主将は「目標は優勝。歴代最高のキャプテンと言われるように頑張りたい」と意気込んだ。
高い目標設定とは裏腹に、チーム内の一体化は進んでいないという。リーグワン関係者は「チームが一つにまとまっていない状況があるようだ。合宿中は、主力と言われる選手と当落線上にいる選手に温度差があったり、自らのアピールを優先する選手もいたと聞いている。それに、強化試合におけるジョセフHCの起用法に疑問を持つ選手までいたみたいだ」と明かす。
その要因は、同関係者が「時間が少ないのが大きい」と指摘するように、前回とは準備期間に大きな差があることだ。日本大会前は9月20日の初戦に向けて2月から代表合宿を開始した一方で、今回はわずか3か月。その上、2020年はコロナ禍で、ほぼ活動停止状態だった。さらに19年大会へ向けた日本代表強化を目的としたスーパーラグビーの日本チーム「サンウルブズ」は20年に解散している。
史上初の8強に進出した日本大会は〝ワンチーム〟という言葉が象徴するように、選手一人ひとりがチームのために献身。試合に出られない選手も自らの役割を全うして勝利に貢献してきた。それが強豪のアイルランドやスコットランドに勝利し、4連勝で決勝トーナメント進出という結果となって表れた。19年の「ユーキャン新語・流行語大賞」の年間大賞に輝いたほど世間にも認知された。
不利な条件の中で強化を強いられ、結果も出ていない状況では、まだ完成途上のチームと言われても仕方がないだろう。9月10日に控えるチリとの1次リーグ初戦が間近に迫る中、姫野主将を中心に、短期間でどこまで一つになれるか。その成否もフランス大会の結果を大きく左右しそうだ。












