勝利まで〝あと一人〟も痛恨の幕切れとなった。第105回全国高校野球選手権大会は10日、第5日第2試合で3年連続9度目出場の明豊(大分)が延長10回タイブレークの激闘の末、2年ぶり40度目出場の北海(南北海道)に8―9で逆転サヨナラを喫し、2年連続の初戦突破を目前で逃した。

 3回二死一、三塁で3番・柴田(3年)が右前適時打を放って先制。4回に試合をひっくり返されたが、1点ビハインドの5回一死一、二塁で4番・西村(3年)の右中間2点適時三塁打で逆転に成功した。6回にまたも追いつかれたが、7回一死一、二塁で5番・木下(3年)の左前適時打で勝ち越し、6番・石田(2年)も右越え2点三塁打、相手の暴投もあり、この回に一挙4点をもぎ取った。

 ところが、投手陣が踏ん張れない。その裏の7回に2失点すると、2点リードの9回二死満塁から適時打と押し出し四球を許して同点に追いつかれた。延長10回は代打・芦内(2年)の右前適時打で勝ち越したものの、その直後に2点を奪われてサヨナラ負けを喫した。

 勝利すれば、明豊にとって区切りの春夏通算20勝となったが、川崎監督は「バントがなかなか決まらず、流れのいい攻撃ができなかった。もう少し点が取れたはず」と悔しがった。

 終始、試合を優位に進め、4度リードを奪いながら勝ち切れず「甲子園で勝つのは簡単じゃない。雰囲気も含めて甲子園。最後はやられたけれども、北海さんも素晴らしかった。気持ちと気持ちのぶつかり合いで、北海さんの執念が上回った」と相手をたたえた。

 昨年8月の練習試合で打球が鎖骨付近に直撃して当時2年だった捕手の吉川孝成さんが亡くなった。この日、吉川さんのバッティンググローブを着けてプレーし、猛打賞と2打点をマークした主将の西村(3年)は「毎打席、孝成と一緒に立っている。力を貸してもらって3安打することができた。孝成がいなければ甲子園という舞台でプレーすることはできなかった。ありがとうと伝えたい」。亡き友に勝利をささげることはできなかったが、明豊ナインは晴れやなか表情で聖地を去る。