第105回全国高校野球選手権大阪大会の決勝戦が30日に大阪・舞洲で行われ、履正社が3連覇を目指す大阪桐蔭を3―0で下し、4年ぶり5度目の夏の甲子園大会出場を決めた。

 背番号「10」の左腕・福田(3年)がマウンドで雄叫びを上げると、ナインが駆け寄って勝どきを上げた。9回を散発3安打、無失点に抑える完封劇。最速150キロのストレートと変化球で落ち着いた投球を続け、準々決勝までコールド勝ちを続けた強打線に付け入る隙を与えなかった。

 ライバルと称されてきた両校だが、これまで後塵を拝してきたのは履正社だった。秋の直接対決で0―7の完敗。今年のセンバツも履正社が初戦敗退したのに対し、大阪桐蔭はセンバツ4強、春大会も準V。夏の直接対決も昨夏の決勝で敗れ、12連敗中と圧倒されていた。

 何としても全国制覇を成し遂げた2019年以来の夏舞台に立つ…。その思いが世代ナンバーワン投手と呼ばれる相手エース・前田(3年)を襲った。2回に一死二、三塁から敵失の間に1点を先制すると、4回には二死満塁と前田を追い詰め、9番・野上(3年)が左中間に2点適時打を放った。好投手の前田から7安打で3点をもぎ取って福田を援護。4年ぶり夏切符をつかみ取った。

 ノーシードから勝ち上がった多田監督は「センバツ、春大会と負けて悔しい思いでやってきた。昨年の夏も前田くんに抑えられ、好投手を何とか打てるようにと練習してきた。福田が最高の投球をしてくれた。4年前のような(全国)優勝を目標に頑張っていきたい」と頂点を見据えた。

 一方の前田はベンチで涙をこらえられず、タオルで顔を覆った。甲子園大会でプロ注目と騒がれながらも昨夏の準々決勝で下関国際(山口)に敗退、リベンジを期した今春のセンバツも準決勝で報徳学園(兵庫)の前に涙を飲んだ。今大会も本調子には遠く、履正社の執念の前に8回を7安打3失点。6季連続出場の夢は断たれ、常勝軍団を率いた背番号「1」の最後の夏は終わった。