「第105回全国高校野球選手権記念」福岡大会決勝が27日に久留米市野球場で行われ、前回覇者・九州国際大付がノーシードから駆け上がった東筑に2―1で競り勝って2年連続9度目の出場を決めた。主将を務める高校通算31本塁打の佐倉侠史朗内野手(3年)にとっては、集大成となる3度目の甲子園。プロ注目スラッガーは、聖地で直接対決の可能性がある高校通算最多140本塁打を誇る花巻東(岩手)の佐々木麟太郎内野手(3年)に抱き続けてきた特別な思いを激白した。
7試合を通じてチーム無失策の堅い守備で接戦をモノすると、佐倉は安堵の表情を浮かべ仲間と喜びを分かち合った。決勝は3打数1安打1四球。福岡大会は全試合で4番に座り、23打数10安打の打率4割3分5厘とハイアベレージを残したが、生粋のスラッガーに満足感は一切なかった。5回戦以降は1点差勝利が3試合と苦戦。戦況を変える一発の魅力を知る17歳は、大会ノーアーチに終わった自身にふがいなさを感じていた。
それだけに来月6日に開幕する夏の甲子園には期するものがある。「悔しさがこみあげてきた。一戦一戦、強豪を倒して日本一を目指したい」と主将として気概を示すと「甲子園では暴れたい。個人の目標としては、広陵の中村奨成さんの(第99回大会でマークした最多本塁打記録)6本塁打を抜きたい」と持ち味である負けん気の強さを前面に出した。
集大成となる最後の夏に向け、高校球界に現れた新怪物を〝道しるべ〟に自らを追い込んできた。2005年度生まれの球児たちの頂点に君臨する〝高校四天王〟の一角である佐倉が「レベルが違いすぎる」と見上げる選手が花巻東の佐々木。前日に同じく夏の切符を手にした世代ナンバーワンの長距離砲だ。
佐倉は並列に評価されることをやんわり否定した上で「見習う部分が多く、ライバルというより尊敬している。逆に、どういう部分で自分が勝てるかを考えながらやってきた。ホームラン134本でしたっけ? えっ!? 140本!? あり得ない数字なんで…。気にしたら大変なんで、いい部分は吸収して、到底無理だという部分は無理せずやってきた。『上には上がいる』という思いでやってきた」と存在の大きさを明かし、九州の地で〝井の中の蛙(かわず)〟にならず成長を後押ししてくれた佐々木に感謝した。
この日、右翼線に放った二塁打は痛烈な打球で強打者の片りんを見せた。最大110キロ超あった体重をトレーニングを強化した上で現在101キロまで減量。故障の影響で目標値を5キロほどオーバーしているが、体のキレが増すことで超高校級のスイングに磨きがかかっている。
佐倉が激白した新怪物・佐々木麟太郎の影響力――。代表的な松坂世代、ハンカチ世代と重なる「黄金世代」がこの夏を盛り上げ、さらにはその先の野球界の未来を明るく照らす。












