プロ野球オーナー会議が10日に東京都内で開かれ、オーナー側が「ピッチクロック」の導入の可否を含めた検討をNPB側に指示した。近い将来に導入される可能性も高いが、評論家の伊原春樹氏は基本的には賛成もいわゆる「けん制数の制限」については反対の立場を表明した。
【新鬼の手帳・伊原春樹】今季からメジャーで導入された投球に関する時間制限である「ピッチクロック」がNPBでも検討されることになった。結論から言えば私は賛成だ。メジャーでは投手は走者がいない場合で「15秒以内」、走者がいる場合は「20秒以内」に投球しないとボールとなる。オーナー会議で議長を務めた西武・後藤オーナーは「時間短縮のメリットがあると考える。野球のファンでない方は試合時間の長さがネックになっているのは間違いない」との見解を示したがその通りだろう。
私は三塁コーチャー時代から相手投手に対して「もっと早く投げろ」と思っていた。2009年に導入されたはずの「15秒ルール」もすっかり形骸化した。ファンにも分かる形で場内に時間が表示されれば、審判もルールを適用せざるを得ない。
ただし全てに賛成というわけではない。今季メジャーで導入されたいわゆる「けん制数の制限」には断固反対だ。投手がプレートから離脱できるのは1打席につき2回までで、3回目にセーフならボークとなる。これにより盗塁数は前年より大きく増えている。
盗塁を決めるには相手投手のクセを盗んでスタートする必要がある。そのために選手は研究を重ね、走塁技術を磨いてきた。それが2回のけん制さえクリアできれば、投手にリスクのある3回目はほぼ自動スタート状態となる。それでは盗塁技術は向上しないし、投手にとっても防御率悪化などデメリットが大きい。
メジャー以上に日本のプロ野球では盗塁の成否が勝敗に影響を与える割合が大きい。けん制数が制限されてしまえば、これまでの戦術は大きく変わる可能性もある。時短には賛成だが、より日本の実情に適合したルールとなるよう関係者には慎重な議論を期待したい。
(本紙専属評論家)











