連夜の劇的勝利でジンクス打破だ。巨人が16日の楽天戦(東京ドーム)に6―5で劇的逆転勝利。坂本勇人内野手(34)が10号サヨナラ3ランを放ち、今季最長の6連勝を飾った。9年ぶりの交流戦優勝にリーチをかける大きな1勝。その勝ち星は、チームにとってあの「タブー解禁」の合図ともなりそうだ。

 最後は頼れる男が決めた。2点ビハインドの9回、前夜にサヨナラ打を放った先頭打者・梶谷が左中間を切り裂く二塁打で出塁すると、続く重信も右前打。さらには二盗も決めて無死二、三塁と絶好機を作り出すと、最後は坂本が酒居の投じた3球目・136キロのフォークを完ぺきに捉えてバックスクリーン左へ叩き込んだ。

 G党も大歓喜の中お立ち台に上がった坂本は「久しぶりにサヨナラ本塁打を打てて、こういう大歓声に包まれて、最高にうれしいです!」と大興奮。原監督も「非常にシンプルになった感じがしますね。打席でいい形で球を待てているんではないかなと思いますね」と絶賛した。

 この日の勝利は、交流戦Vに大前進する1勝となっただけでなく〝ダブルジンクス〟を打ち破る白星ともなった。今季は試合前までで金曜日の戦績が1勝9敗。勝利したのは4月28日の広島戦(東京ドーム)だけで、5月以降は5連敗中と〝ブラックフライデー〟と化していた。しかも、チームに最高の勢いをもたらすサヨナラ勝ちを収めた翌日の戦績に至っては、まさかの4戦4敗だった。この日は「金曜日」と「サヨナラ翌日」の2つの〝悪条件〟を満たす一戦だったのだ。

 あまりの悪循環にチーム関係者からはこんな声も上がっていた。

「ジンクスを気にする人ほど、その事実を自分から口に出したりはしなかったりする。そういう人に対して冗談で『金曜日は…』とか軽口を叩くと変に意識しちゃうから、こちらもあえて言わないようにしている部分もある」

 やはり〝タブー化〟されていたようで、周囲は細心の注意を払っていたようだ。

 一方、選手サイドからは「自分たちはどちらかというと終わってから『そんなことあったんだ』て気づいたりする。気づいてから『俺がそのジンクスを破ってやる!』て気合が入る分にはいいけど『自分のせいでまた悪い流れが続いちゃったなぁ…』て気にしちゃう人もいるから、気づかないことが一番幸せかもね」との声も出ていた。

 ただ、そんな不安も杞憂に終わるかのようにこの日は2つのジンクスを同時に打ち破ることに成功。タブー化していた因縁話も、これで笑い話として昇華されていきそうだ。