かえって舵取りは難しくなるかもしれない。V奪回を目指すソフトバンクは、このほど昨季まで在籍したデスパイネの再獲得を決めた。球団は6月中の来日を目指している。右の大砲はかねて藤本監督も待ち望んでいたピースで、勝手知ったる助っ人の出戻りはメリットも大きい。一方で、チーム内には「余計にDHの使い方が大事になる」と懸念する向きもある。

 今季のソフトバンクではDHの扱いが選手のパフォーマンスを最大限に引き出す上で重要な鍵を握っていた。今季57試合中25試合にDHで出場している柳田は打率3割をキープし、オールスター戦のファン投票でもDH部門でトップを独走。近藤が14試合、長期故障明けの栗原は3試合で〝半休枠〟を有効活用し、ここまで柳田とともに全試合にスタメン出場している。その絶妙なやり繰りは打線全体にプラス効果をもたらしてきた。

 そもそも昨オフにデスパイネとの再契約を見送ったのは「DH専門」だったから。3―2で制した14日のヤクルト戦(神宮)では2―1の3回に2戦連発の10号ソロを放った近藤が4回の守備でダイビングキャッチした際、人工芝に体を強打。「腰の方がね。『抜けそうになった』ということで無理させないために」(藤本監督)と6回の守備から退いた。長いシーズンに不測の事態は付きもので、DHには〝もしも〟のための保険的な意味合いもある。

 ソフトバンクは伝統的に若手もベテランも全力プレーが当たり前で、その分だけ疲労蓄積や負傷のリスクはある。「優先順位を明確にすることでチーム力、選手個々のパフォーマンスは上がる」(チーム関係者)との声がある中で、藤本監督の眼力が試されることになりそうだ。