もう誰にも止められない!? 日本ハムの万波中正外野手(23)がプロ5年目でいよいよ本格化の時を迎えようとしている。

 交流戦初戦の30日ヤクルト戦(エスコン)では0―1の劣勢で迎えた4回第2打席で相手先発・石川の初球にバットを合わせると打球は右翼フェンスを越え自軍ブルペンに着弾。チームを同点に導く2試合連続弾で両リーグ最速の10号を放つと、第3打席でも石川の133キロ直球をバットの芯で捉え今季11号を中堅席中段に運んだ。

 これで万波はここ10試合で6本塁打。本人はこの好調要因について「超驚いています。ここで言うのもあれですけど、本当にいい打席が送れているかなと思うので。少しでも続けられるようにしたい」と謙遜するが、「量産モード」は決して偶然の産物ではない。プロ入り直後からの「弱点」を着実に克服しつつあるからだ。

 万波の弱点と言えば外角変化球と落ちるボールへの対応だった。すでにパ・リーグ各球団のバッテリーもこの弱点を熟知。本人も分かっていながら昨年までは対応に苦慮し続けた。だが、今季は春季キャンプから徹底して外角変化球とフォークの見極めに時間を費やした。その結果、徐々に選球眼が良くなり、甘い球を仕留められる場面が増え始めた。

 本人は「(昨季からの)進歩は感じてますけど、自信が持てたり、確信が持てたりというところまではいけてない。まだまだです」と言うものの、新庄監督は「選球眼がいいですね。空振りしても『前の空振りはもう忘れよう』という意識があるから。昨年とは全く違う万波君が出ている」と本人の成長に目を細め「今後も(打順は)4番でいこうと思う」と力強く言い切った。これなら今後も大崩れはないだろう。

 チームはこの日の辛勝で5月計13勝となり、昨季9月以来となる月間勝ち越しが決定。万波の好調は故障離脱中の清宮や4番から降格した野村らチーム内のライバルにも大きな刺激になる。

「シーズンを通して4番をジェームス(野村)と争っていけたらいい」と万波は言うが、今や4番としてチームをけん引する存在へと成長する23歳。進化を遂げる遅咲きの長距離砲は初夏を前に最盛期を迎える。