思わず切実な思いがあふれ出た。ソフトバンクの大関友久投手(25)が16日の楽天戦(きたぎん)で8回3失点、完投負け。112球の力投も、打線の援護なく4敗目を喫した。いわゆる〝ムエンゴ〟状態が続き、終始、窮屈な投球を強いられた。この日の3失点はソロ本塁打3発によるもの。黒星が2つ先行する状況だが、防御率1点台の安定感で辛抱強い投球が続いている。

 この日も気の毒な敗戦だった。前々回の2日オリックス戦は7回1失点で負け投手。前回の日本ハム戦(9日)は完封勝利だった。今月に入っての3登板、味方打線の援護点は0、1、0。いずれも100球以上を投げ、2試合連続完投でも報われない日々が続いている。

 開幕投手でスタートした今季、ここまでの奮闘をたたえる声がほとんどだ。この日の試合後、斉藤和巳投手コーチ(45)は「ナイスピッチング。3発打たれたけど、深く反省するほどのことでもない。誰も責める人間なんていない」と擁護。攻撃陣と持ちつ持たれつの関係を強調した上で「ここ数試合は援護がないんで、かわいそうな状況」と左腕を思いやった。

 辛抱にも我慢の限界がある――。一皮も二皮もむけて急成長を遂げようとしている大関。だからこそ、斉藤コーチは願うようにこうも言った。「辛抱ばかりさせるわけにはいかない。こっちからしたら援護してやってという気持ちは正直ある。やっぱり投手なんで、負けた責任は絶対に感じてしまうもの。そういうことで今後ピッチングが窮屈になったり、本人が自ら崩れていってしまうことが一番怖い。そこは早く勝ちがついてほしいなっていう願いだけです」。突き抜けようとする左腕に自信を持たせ、成長を後押ししたい親心が言葉からはにじんだ。

 斉藤コーチが指摘するように複合的な要因で好調な大関までも崩れてしまえば、波に乗れないチームの負の連鎖は増長し、さらに混迷する。次回こそ、なんとか悪い流れを断ち切りたい。