まさかのブレーキ発動だ。巨人のリリーフエース・中川皓太投手(29)が15日に支配下復帰を果たした。球団側は12球団ワーストのブルペン陣を立て直すべく、今月だけで3人目となる救援投手をチームに送り込んだ。しかし、誰よりも左腕の起用法に慎重姿勢だったのが原辰徳監督(64)だった。リーグ5位に低迷する状況に、焦るフロントと泰然自若の現場の構図が浮き彫りとなっている。
ようやく背番号41が帰ってきた。中川は2019年に67試合に登板し、4勝3敗、16セーブに17ホールド。防御率2・37の好成績で5年ぶりのリーグ優勝に貢献した。その後も左のセットアッパーとして、ブルペンに不可欠な存在となっていた。しかし、昨季は開幕前に発症した腰痛の影響で登板ゼロ。昨オフに育成落ちとなっていた。それでも先月から二軍で実戦復帰し、再び一軍出場の権利を得た。
実績で中川の右に出る者はいない。救援陣の防御率は12球団最悪の4・89。現状では8回どころか7回の起用法も定まらない。チームのウイークポイントを埋めるのがフロントの役割で、球団は〝切り札〟として中川の支配下登録に踏み切った。5月に入り、育成から昇格したのは三上、平内に続いて異例の3人目。切迫したチーム事情を物語る補強だが、その中川の起用に最も慎重だったのが原監督だった。
今後の一軍昇格の見通しについて「連投もしたし、明日(16日)動いてみて、順調だったら明後日(17日)からというふうに聞いています」。さらに「彼のそういうもの(経験や実績)に期待はしていますけども」と前置きし「昨年はゼロイニングだから。使い方という点では、あまり大きな負担をかけるのはどうなのかなという気はする。そこは考えてあげないとね」と言葉を選んだ。
チームスタッフも以前から同様の見解で「(中川)皓太が帰ってくれば大きいだろうけど、以前のままの皓太と思わないほうが無難。腰痛を経てすべてが元通りになるとは限らない。一軍で1年以上、投げられなかった間に年齢も重ねた。期待するのは当然だけど、期待しすぎるのは酷だろう」と話していた。
ブランクもさることながら、二軍で連投したのは1度だけ。原監督も最終的に支配下復帰に「GO」を出したものの、再び長期離脱されては元も子もない。チーム状態の悪化に伴い、焦る周囲に指揮官自らがブレーキをかけた格好だ。
「成績はともかく、今までみんなで切り抜けてきているわけだからね。彼がサッと入れるかどうか、そこは慎重に見る必要はある」(原監督)。中川の復帰で安心感は得られるが、当面は現在の救援陣が核となって奮起するしかなさそうだ。












