【赤坂英一 赤ペン!!】「選手がゾーンに入るというけど、監督やチームにもそういう現象があるんじゃないかな。特に優勝するシーズンは」
1998年、横浜(現DeNA)を38年ぶりの優勝に導いた監督、権藤博さんがそんな話を聞かせてくれたことがある。
「巨人相手に7点差をひっくり返し、13―12で逆転勝ちしたゲームがあった(98年7月5日)。あんな試合はやろうと思ってもできない。優勝する年はああいうすごい勝ち方をする時が何度かある」
そういう年は、采配もよく的中するそうだ。
「次はこれ、次はこれと、出すサインが完璧に当たった。特に谷繁(捕手)に出す配球のサインが。そんな時は迷いや怖さをまったく感じないんだ」
今季のDeNAと三浦監督は、まさにそういう「ゾーン」に入ったのではないかと思わせる。
スタメンに抜てきした関根がサヨナラ安打(4月27日ヤクルト戦)、逆にしばらくベンチで休ませていた宮﨑がサヨナラ本塁打(4日広島戦)。それも三浦監督が「一発打つか塁に出るか自分で選べ」とゲキを飛ばした直後と神がかっている。
5日のヤクルト戦では5本塁打で5点をリードするも、6本塁打されて逆転サヨナラ負け。すると翌6日の同カードでは5本塁打17得点と10点差をつけて大勝である。
三浦監督はこう言う。
「今は点の取り方の形ができてることが重要だと思う。一発が出なくても二死からでも四球を選んだり、そこから盗塁してタイムリーで1点をもぎ取ったり、粘り強い攻撃ができてます。そういう選手の間に競争意識が芽生えているのも大きい」
関根によると、最近のベンチは盛んに掛け声が飛び交っているそうだ。
「リードされていても、まず塁に出よう、まず1点取ろうと。監督じゃなく、選手やコーチからよくそんな声が出てます」
そうした雰囲気を盛り上げているのが、98年の優勝メンバーだった石井チーフ打撃コーチだ。
「打者には調子のいい人も悪い人もいます。ここまでは投手陣が踏ん張ってるおかげで勝ててるのが実情。僕はマシンガン打線の一員としてプレーして、広島でコーチとして点の取り方を学んだ。両方の打線の特長を融合して、選手が持ち場、持ち場で役割を果たせば、これから本当に力のある打線になると思います」
ちなみに、権藤さんは「ゾーンに入れる時期は長くない」とも指摘していた。今後の勝負どころに備えて、打線は「本当の力」をつけておかなければならない。












