現役引退を表明したフィギュアスケート・アイスダンスの〝かなだい〟こと村元哉中(30)、高橋大輔(37=ともに関大KFSC)は、限界まで戦い抜いた。

 村元からの猛アプローチを受けて2020年にカップルを結成した2人は、3季目の今季に全日本選手権で初優勝を果たし、世界選手権では日本勢最高タイの11位に入った。スポンサー先の社員やフィギュア関係者から「ぜひ来季も続けてほしい」との声が上がっていた中、今季限りでの引退を決断。2日の引退会見で高橋は「アイスダンスをしていなかったら、こんなにすっきりしていない。哉中ちゃんが誘ってくれたことに感謝している」とすがすがしい表情を見せた。

 年数を重ねるごとに進化を遂げた2人。高橋も「パフォーマンスをする上ではまだ全然限界を感じてはいない」とさらなる伸びしろを感じていた。しかし、古傷の右ヒザは限界だった。「痛みが出たり、朝起きたら足が動かせないとかがあった。リフトの練習をしたいけど、今日は無理だなとか」。プラン通りのメニューをこなすことができず、思うように追い込めなかったという。

 高橋の状態は村元もよくわかっていた。誰よりも近くにいたからこそ「(高橋は)時には歩けなかったり、無理だったりした。一歩、一応氷には乗るけど『ごめん。今日は滑れない』とか。やりたいけどできない葛藤とか、本当に本人が大変だったと思う」と回想。思わず「たまにヒザを貸してあげたいぐらい」と感じることもあったが、決して逃げ出すことはなかった。

 心身ともに難しい状況下だった1年間。さまざまな壁を乗り越え、絆はさらに深まった。村元は「アスリートにはケガはつきもの。本当にメンタルと体とバランスが大変だったと思うけど、ここまでこられたのは本当に努力というか、練習を2人で頑張ってきた。すごい大ちゃんに感謝している」と感慨深げに語った。

 今後も〝かなだい〟としての活動は継続していく。村元は「大ちゃんといろんな作品をつくっていくのが楽しみ」とニヤリ。これからも多くのファンを魅了してくれそうだ。