阪神が4日の広島戦(マツダ)に5―4で競り勝ち、開幕4連勝とロケットスタートに成功している。接戦を確実にモノにしていくあたりは、さすがは歴戦の名将・岡田彰布監督(65)といったところだが、うかれてしまいがちな周囲をヨソに、次なる展開「連勝の反動」にもしっかりと頭を巡らせている。テーマは〝13年前の忌まわしい記憶〟を再現しないこと。今季の虎は、用意周到にアレに向けての石を積み上げていく。
進撃は止まらない。この日は6回まで3点リードも、終盤7、8回に赤ヘル軍団の抵抗にあい、一時は4―4の同点に追いつかれる嫌な展開。しかし、最後は9回二死二塁で4番・大山悠輔内野手(28)が相手守護神・栗林良吏(26)から、左中間に勝ち越しの適時二塁打。その裏を守護神・湯浅京己(23)が今季2セーブ目で締めた。
試合後の岡田監督は「4番に置いているわけやからな。一番、いいところで打ってくれたよな」と、試合にケリをつける主砲の一振りにご満悦だ。開幕から負けなしはこれで、リーグ連覇中のヤクルトと阪神のみ。15年ぶりに虎の指揮を執った知将への期待は、膨らむばかりだが「まだ落ち着いては野球できへんよ(笑い)。まあ、ひとつずつや。まだな。ひと回りあたるまでは、こんなんちゃうか」と、球団としては08年以来となる開幕4連勝を控え目に振り返るにとどめた。
指揮官としても、過去の経験値の生かしどころでもある。というのも、岡田監督にとっての「開幕4連勝」は、過去に嫌な記憶があるからだ。
それは岡田監督がオリックス監督就任初年度だった2010年のこと。ホームで楽天に開幕3連勝、結果的に今季と同様に開幕4連勝を決め、3月を7勝1敗と開幕ダッシュに大成功したが、4月に入ると投手陣が踏ん張れなくなり、5連敗と急降下。4月終了時点で勝率5割を切ってしまった。すると、開幕から1か月もたたないうちにコーチ陣の配置転換が断行されるなど「内閣」としても軌道に乗り切ることができなかった。
もちろん、当時のことを、岡田監督を支える現首脳陣や球団フロントもすでにリサーチ済み。岡田体制では現場で起きた不具合は、まず選手ではなく「担当コーチ」にメスを入れていくのが基本方針であることに変わりはなく、球団関係者も「連勝の反動は、あるものと考えておくべき。その時にコーチ陣がどう立ち回れるか」と、手綱を緩める気配はまったくない。
勝ってもおごることなく、カブトの緒を締める…。一層の〝備え〟を進める声が飛び交う今の岡田阪神には、当面の間、さしたる〝スキ〟はなさそうだ。












