フィギュアスケートのアイスダンスで村元哉中(30)とカップルを組む高橋大輔(37=ともに関大KFSC)は、あの日の〝忘れ物〟を取り返した。
シングル時代にさいたまスーパーアリーナで実施された2014年世界選手権は、ケガを抱えていた女子の鈴木明子氏(37)に「せっかくの自国開催の大会、今まで応援してくれた人は、あっこちゃんのスケートを見るのを楽しみにしていると思う」とアドバイス。出場を迷っていた盟友の背中を押した一方で、高橋自身はケガの症状が重く、欠場を余儀なくされた。しかし9年の時を経て、22日に同会場で開幕した世界選手権にアイスダンサーとして帰ってきた。
24日のリズムダンス(RD)では、ラテン系のハイテンポな曲調に合わせ、キレ味抜群のステップ、華麗なリフトなどを披露した。序盤のツイズルは回転が合わなかったが、演技後には安堵の表情。72・92点で11位と、目標のトップ10入りが現実味を帯びてきた。高橋は「階段を上がった瞬間にたくさんのお客さんが見えた。うれしい気持ちと緊張する気持ちだった。今日は緊張感が高かったけど、楽しく滑ることができた」と振り返った。
高橋が自国開催の世界選手権に出場したのは、シングルで銀メダルを獲得した07年以来。「久しぶりに日本で行われる世界選手権に、カテゴリーを変えて出場することができて、貴重な体験ができている」と振り返った上で「日本での世界選手権は、当分ないと思うので、人生最後になると思う」と神妙に語った。
〝かなだい〟が25日のフリーダンスで演じる「オペラ座の怪人」は、高橋が07年世界選手権のフリーで演じた思い出の曲だ。「明日また『オペラ座の怪人』をカテゴリー違いで、当時の自分は今の自分を想像できていなかったと思うが、また日本の世界選手権で滑れていることに感謝しながら滑りたい」。あの日の感動をもう一度――。成熟した高橋の表現力で観客を魅了する。











