日本をWBC5大会連続となるベスト4へ導いた大谷翔平投手(28=エンゼルス)のセーフティーバントを〝バントの神様〟も大絶賛した。

 14年ぶり世界一までマジック2とした侍ジャパン。その原動力となったのは何と言っても大谷だ。16日の準々決勝イタリア戦(東京ドーム)で先発として5回途中2失点。打っては0―0の3回一死一塁で三塁方向へ〝大谷シフト〟を破るセーフティーバントを決めた。

 敵将のピアザ監督も「本当にあれは驚きでした」と目を丸くした奇襲バントに慌てた投手が一塁へ暴投。一死一、三塁とし、その後の先制点と岡本和の3ランによる一挙4得点につながった。

 勝敗を決定づけた大谷のバントを犠打世界記録保持者である巨人・川相昌弘総合コーチ(58)は「まさに『左バッターはああやってセーフティーバントをやるんだ』というやり方だった」と理想的だったと評価。さらに「ウチ(巨人)の左バッターもああいうふうにやってほしい」と大谷のバントを「教科書」としていく考えを示した。

現役時代の巨人・川相コーチのバント(2003年)
現役時代の巨人・川相コーチのバント(2003年)

 同コーチが特に注目したのが大谷の下半身の動き。「教えてもなかなか(大谷のように)足が動かない。体に角度をつけて、足でまずは動いて(投手に)正対してからやったからね」と右足から始動した大谷の動きを見習うべきとした。

 名手は続けて「あの場面はボールがピッチャーの前に行ったら意味がない。(打球方向に)角度をつけるために(グリップ側の)右手を前に出していた。あそこはさすがですね」と絶妙だった右手の動きを指摘。一発で決めたことに「ファウルになってしまうと相手も対応する。一発で決める勝負強さはさすが」と脱帽した。

 大谷本人は試合後、バントについて「理想はもうちょっと強めに、確実に一、二塁をつくるバントが良かった」とさらに上のレベルを狙っていたことを明かしている。今後も大谷のプレーひとつ一つが選手たちの生きた教材となっていきそうだ。