【球界こぼれ話】先週まで沖縄・名護で日本ハムの春季キャンプを取材した。
今季の日本ハムは新球場「エスコンフィールド北海道」の開場とともにリーグ優勝、日本一という高い目標を掲げている。昨年、自らの言動で周囲に話題を振りまいていた新庄剛志監督(51)も今年はキャンプ初日から真剣そのもの。早朝から球場施設を動き回り、鋭い視線で各選手の動きを確認する姿が目立つ。必然的に選手側の意識にも変化が表れ、投手、野手ともにキャンプ序盤から緊迫感が漂う。そんな中、選手に交じって連日汗を流す首脳陣が。今季からチームの一員に加わった森本稀哲外野守備走塁コーチ(42)である。
現役時代は主に日本ハムで活躍。チームが日本一に輝いた2006年からは守備職人に与えられるゴールデン・グラブ賞を3年連続で受賞した。その実績を買われ、今季から新庄監督をサポートすることになったのだが、コーチ業は初めて。外野ノックや三塁コーチとしての経験はない。現場1年目の新米コーチは学ぶことが多い。中でも習得が難しいのが外野ノックで、各選手の守備位置や守備範囲、走力などを見極めながら、的確な打球を打つ技量が求められる。森本コーチはまだ狙い通りに打てないことの方が多く、そこで選手らが練習を終えた無人のグラウンドで連日、外野ノックを打ち続けている。
その「自主練」は相当なもので1日1時間以上に及ぶことも珍しくない。キャンプ第2クールの7日、8日に至ってはあたりが暗闇に包まれ始める午後6時過ぎになってもメーン球場で一人、甲高いノック音を響かせていた。本人に話を聞くと「新庄さんから『練習しろ』とは言われていません。でも、まだ自分の打ちたい打球を打てない。思ったところに全部打てるようになるのがベストだと思っているので。(外野守備コーチとして)まずは自分が打ちたいところに打つ確率を上げていくのが絶対条件。そのためには練習しかないです」。
日本ハムの外野陣は中堅候補の五十幡を筆頭に、脚力のある選手が揃う。各選手の技量を今以上に上げるためにはノッカーにも高度な技術が要求される。それを分かっているからこその練習なのだろう。
選手だけでなく監督を含め首脳陣も高い意識を持って臨む今季の日本ハム。下馬評はまだ低いとはいえ、こうした森本コーチの姿を見ているとチームへの期待は自然と高まってくる。












