たかが30分、されど30分。巨人の宮崎春季キャンプで2日からアーリーワークが実施された。大久保博元打撃チーフコーチ(56)が導入を提言し、若手主体の昨秋も行われたが、抜本的に見直されたのは開始時間。午前6時30分から同7時に変更された。そんな中、阿部慎之助ヘッド兼バッテリーコーチ(43)と川相昌弘総合コーチ(58)へ感謝の声が沸き起こる理由とは――。

 巨人の朝はとにかく早い。この日は助っ人勢を除く野手18人が室内練習場の各所に散らばり、7時過ぎから連続ティーなどに取り組んだ。3人1組にグループ分けされ、スイング数の合計がトップだったチームは次クールで球数を免除される特典も用意されただけに、1位を競い合いながら活気ある練習となった。大久保コーチは「ベテランと言われる人たちの数はお任せ。成果は思った以上でしたね」と満足げだった。

 早朝練習は昨秋の宮崎キャンプで初めて導入されたが、異なるのは開始時間。秋は強化選手となった若手主体で6時30分から「2000スイング」がノルマとなり、地獄絵図が繰り広げられた。ただ、一軍の春季キャンプは開幕以降のシーズンをにらんだ主力がメーン。開始を30分遅らせて7時にしたとはいえ、レギュラークラスが朝っぱらからバットを振りまくることはそうそうない。

 そこで浮上するのが〝ちゃんと起きられるのか問題〟。ベテランでは異例の「750スイング」をこなした39歳の松田は「(目覚ましを)保険で5回かけました。でも、その前に起きちゃった。5時45分に起きて風呂につかって。〝朝熱男〟になっちゃった」と笑った。

 寝坊した選手は皆無だったものの、チームスタッフの間からは「この30分は、ただの30分じゃないですよ。本当に大きい30分。選手にとっていい練習になったのは、阿部ヘッドと川相さんのおかげですよ」と頭を垂れた。

 どういうことなのかと言えば「6時30分がダメとかではなく、その時間は春の宮崎ではまだ夜明け前。日の出は7時前くらいだし、秋にアーリーをやった選手は寝起きのままバスに乗って打ち出していたんじゃないかと、お2人がいろいろと『7時にしてほしい』と進言したそうです。6時30分なら裏方はもっと早く起きて球場に行って準備しなければいけない。自分たちのことはどうでもいいですが、そういった配慮もあったと聞きます」という。

 何はともあれ、アレンジと修正を加えながら本格始動した〝朝活〟がV奪回への原動力となるのかが見ものだ。