これもプロの洗礼か…。巨人のドラフト1位・浅野翔吾外野手(18=高松商)が30日に坂本勇人内野手(34)と〝緊急合体〟を果たした。2月1日の球春到来を目前にレベルの違いを痛感させられたが、グラウンド外では注目選手ゆえの悩ましい事態も。丹精込めて書いたサインが、インターネットオークションで売買され始めているのだ。

 まさかの展開だった。ドラ2ルーキー・萩尾匡也外野手(22=慶大)とともに、ジャイアンツ球場の室内練習場で自主トレを行っていると、坂本がノックに飛び入り参加。突然の大物の登場にルーキーたちは一気に硬直状態に…。浅野が「緊張するなあ…」と何度もつぶやけば、坂本が捕球ミスをするとなぜかノッカー役の萩尾が「すみませ~ん!」と謝ってしまうほどだった。

 浅野の春季キャンプは二軍スタートで、一軍の坂本とは別行動となる。短時間とはいえ、貴重な時間となり「実際に見たら、グラブの入り方とか握り替えの仕方、送球までの速さは次元が違う」とレベルの高さを肌で感じ取った。

 そんな将来のスター候補を巡っては、早くも周囲で悲しい現実も起きている。浅野の直筆とみられるサインが、ネットオークションサイトに出品され、おおむね2万円台で取引されているのだ。

 浅野はプロ入り決定後にサインの変更を決断。合計39画あるフルネームを「『浅野』の『浅』を崩して『野』はひらがなの『の』にしました」と簡素化させた。それは、より短時間で書き上げて「多くの人にサインを」との思いからだった。

 球団側もある程度は織り込み済みだった。新人選手たちに対して「中には売買目的でサインをもらう人も出てきてしまうけれど、それはごく一部の人。ほとんどのファンはそうではない」と講義の中でファンサービスの重要性を教育しているという。

 新型コロナの規制も徐々に緩和され、新人合同自主トレ期間中には15分間限定で新人のサイン会も行われた。ただ、従来に比べれば選手と触れ合える機会はまだまだ少なく、希少価値が上がってしまう現実もある。

 浅野は「どれだけ書く数が多くても、ひと言声をかけてくださると書きたくなる」と話していたが、本意ではない売買が行われるのもスター候補生の宿命なのかもしれない。