西武・松井稼頭央監督(47)が、29日に今季のチームスローガン「走魂」を発表した。

 指揮官は「私は〝走る〟ことが野球の原点だと考えている。積極的に次の塁を狙う姿勢や、必死にボールを追い続ける意識をチームに浸透させたい思いもあって、このスローガンに決めました。選手たちがグラウンドで躍動し、ファンの皆さまの魂を揺さぶるようなプレーをお見せできるよう〝走る〟ことにこだわりを持ってキャンプから取り組んでいきたい」と言葉に力を込めた。

 パ・リーグでは1979年以降、最多となるシーズン62盗塁(97年)をマークし、97年の球宴では1試合4盗塁の新記録を樹立した松井監督ならではのスローガン。

 ただでさえ、チーム打率リーグ最下位の打線の中軸からMVP捕手・森友哉がいなくなり新外国人の状況いかんでは2冠王・山川穂高内野手(31)が孤立しかねない危機的状況の中で、ヒントを求めたのは自身が世に存在を知らしめた東尾政権3年目、97年シーズンの再現だった。

 同政権1年目(95年)から一軍に抜擢され投手からコンバートされた遊撃守備には目をつぶり、この年にブレーク。FAで主砲・清原が巨人へ移籍した穴を1番・松井、2番・大友、3番・高木大の俊足トリオが計117盗塁でカバーし、チームとしてもNPB史上13度目のシーズン200盗塁を達成しV奪回に成功した。

「東尾さんがいなかったら今の自分はいなかった。我慢に我慢を重ねていただいた」と当時を回顧する松井監督は恩師譲りの胆力で、この危機を足に活路を見いだし乗り切る覚悟だ。

 一軍・A班に抜擢された若手の中では今年の自主トレから山川に師事し昨年までの打撃フォームを一変させた6年目・西川愛也外野手(23)やおかわり塾に入門した3年目・山村崇嘉内野手(20)が黙々と打ち込みを続けている。

 ガラ空きの外野を含む5ポジションを奪うレギュラーの条件は「打てること」「走れること」と明確だ。指揮官が「何とかコイツを使いたいと思わせるようなアピールをしてくれるのを楽しみにしている」という要望に何人が応えられるだろうか。