米スポーツサイト、アスレチックは20日(日本時間21日)に「あれから10年。2013年のレッドソックスは何事も可能であることを思い出させてくれる」と、開幕前は2年連続の最下位という予想が大半だったチームが世界一に輝いた軌跡を振り返った。

 このオフ、レッドソックスはオリックスからポスティングシステムでメジャー移籍を目指した吉田正尚外野手(29)と5年契約を結び、ドジャースからFAになったのケンリー・ジャンセン投手(35)とジャスティン・ターナー内野手(38)を獲得した。しかし、先発投手を始め、捕手、二遊間の戦力不足が明らかで、レギュラーシーズンの順位予想は「地区4位」「地区最下位」などと、10年前と同じ状況なのだ。

 10年前にきっかけになったのは悲惨な事件だった。4月15日、本拠地でのデーゲーム後に発生したボストン・マラソン爆破事件だ。その夜、敵地クリーブランドに移動した選手たちは夕食の席で、この悲劇から立ち直るためにどうすればいいか話し合い、ウィル・ミドルブルックス内野手が「ボストン・ストロング」という言葉をつぶやいた。

 以来、チームは一丸となり、6月21日に上原浩治がクローザーに指名され、田沢純一がセットアッパーに起用されると、さらに貯金を増やしていく。記事では当時、GMを務めていたチェリントン氏は「マラソンの後、どの選手もプレー以外にやることがないかのように街のために勝ち続けた」と振り返り、主砲としてバットでけん引したデビッド・オルティス氏は「ボストンの人たちは、僕らが勝った理由の一部だ」と語っている。

 同サイトは長文記事の最後の段落で「ワールドシリーズで最後のアウトとなった3つ目のストライクを奪うまで、彼はスポーツ界最高のリリーバーだった。上原浩治が癒しを与えてくれたことを、(ボストンの)人々は決して忘れないだろう」と、上原浩治氏の功績を称えた。上原氏は地区優勝、地区シリーズ、リーグ優勝決定シリーズ、ワールドシリーズで、4度胴上げ投手になる快挙を達成。最後の打者は全て空振り三振に仕留めた。

 10年前、チームが一つになれば強くなれることを世に知らしめたレッドソックス。吉田が上原氏と同様の活躍をすることができれば…。戦前の予想を覆す快進撃に期待がかかる。