堂々の〝デビュー〟だ。巨人は20日にスタッフミーティングを行い、今季の方針を確認した。その中で強烈なインパクトを残したのが、ベテラン勢にも容赦ないゲキを飛ばした阿部慎之助ヘッド兼バッテリーコーチ(43)だ。ヘッドに昇格した今季は原辰徳監督(64)とのパイプ役だけでなく、年上のコーチ陣もとりまとめる中間管理職も務めるだけに、その手腕が注目されている。
3年ぶりのV奪回へ、団結を強めた。原監督はBクラスに沈んだ昨季を「大惨敗」と表現し「反省、教訓を生かして臨む」と強い覚悟を示した。
会議で各部門の方針がチームで共有された中、インパクト絶大だったのは阿部ヘッドだった。中島、長野、松田のベテラン3人にはすでにこう伝えたという。
「悪いけど(全員をベンチに)置けないよ。3人で競争してくれ」
いくらキャリアがあっても優遇はしない。ヘッドとして率直に構想を伝えただけかもしれないが、なかなかのパンチ力だ。さらに「(二軍に)2人落ちるかもしれないし、一人も残らないかもしれない。(ベンチに)いたらいたで(出塁後に)走る人を用意したりとか、そういうのはチームに迷惑だから」とズバリ。3人を起用することで3人の代走を必要とするようでは確かに効率も悪い。3人は春季キャンプで「S班」となったが「全メニューをやってもらうし、その中で融通を利かせるだけ」と特別扱いするつもりはない。
選手にハッパをかけることもヘッドの仕事ながら、原監督を頂点とする組織を円滑に機能させることも重要任務だ。一軍には大久保博元打撃チーフコーチ(55)や川相昌弘総合コーチ(58)ら年上のコーチが6人。いかに意見をすり合わせて指揮官に伝えるかも腕の見せどころで、チームスタッフからはこんな声も上がる。
「デーブさんは何でも言っちゃうタイプで、監督経験者でもあり、年上。ヘッドの頭越しに監督と話を進めたら慎之助の立場がなくなって、組織はメチャクチャになる。監督や打撃コーチ、編成とかいろいろな経験をしているから、大丈夫だと思いたいけど…」
大久保コーチはアーリーワークの導入など、キャンプを大胆に改革したアイデアマン。ただ、組織である以上、順序を踏まないケースが起きれば、たちまち機能不全に陥ってしまう。そうしたコーチ陣全体の統制や統率を図るのも、阿部ヘッドの役割となる。
会議の中で「指導者になって一切貢献できていないなと思っているから、『監督を男にしたい』とみんなの前で言わせていただきました」と表明した鬼軍曹。長く厳しい戦いが始まる。












