阪神・佐藤輝明内野手が7日、母校・近大の生駒総合グラウンドで自主トレを公開。寒風を浴びながら約4時間、汗を流した。岡田彰布新監督の下でさらなる成長と飛躍が期待されるが、両者の〝出会い〟は6年前にまでさかのぼる。虎の宿命を背負い、タテジマを身にまとう65歳の老将と23歳の規格外男。そんなんお前、最初から黄色と黒の糸で結ばれていたわけよ。ハッキリ言うてな――。

 ルーキーイヤーに24本塁打をマークし、衝撃的なデビューを飾った佐藤輝だが、2年目の昨季は20発に終わった。周囲からの「まだまだ物足りない」という声をはねのけるためにも、今オフはウエートトレに重点を置いたメニューで体の強化を図る。「去年はちょっと甘えていた部分もあるので今年はしっかり取り組みたい」と昨年の反省点を認めた上で、今オフは厳しく追い込んでいく構えだ。

 昨秋キャンプでは、岡田監督から体力不足や練習量の絶対的な少なさについて再三厳しく指摘された。それだけに「しっかり全試合に出場して、そこから見える景色を目標にしたい。岡田監督からは期待してもらっているのも感じていますし、必死に頑張って結果を出したい」と佐藤輝も表情を引き締める。

 この日は近大野球部の田中秀昌監督(65)も教え子のトレーニングを見守った。佐藤輝と顔を合わせるのは約1年ぶりとのことだが「目つきや言動も良くなっているなと思います。きょうも開口一番で『明けましておめでとうございます』と言ってくれてね(笑い)。当たり前のことなんですが、そういうことができるようになってきたんだなと思いました」。

 苦労の末に育て上げた、教え子の人間的な成長に目を細め「岡田監督の期待に応えられるように頑張ってもらいたい。厳しく指導してほしいですね」と虎の新指揮官の手腕にも期待を寄せる。

 岡田監督が初めて佐藤輝を目にしたのは2017年の春。仁川学院高で全くの無名選手だった佐藤輝を発掘した田中監督は、近大入学直前の3月には、すでに野球部の練習に参加させていた。「ちょうどその時、早大の野球部が近大に遠征試合に来てくれたんです。早大の投手は早川(現楽天)でした。その試合を(早大OBの)岡田さんが見に来てくれたんです。私は『岡田さん、この佐藤って選手を見ておいてください。今にいい選手になりますよ』と。そうしたら岡田さんも『ああ、いい選手ですねえ』ってほめてくださって。岡田監督もその時のことは覚えていてくださった」と田中監督は振り返る。

 そして、こうも続けた。「今思えば岡田監督とはご縁があったのかもしれませんね。指導者としては厳しい方でしょうが、佐藤をいい方向に導いてくださると思っています。彼もぜひ、その気持ちに応えてチームを優勝に導いてほしい」

 恩師も猛虎悲願の〝アレ〟へ向け、佐藤輝の一層の奮起を祈る。そらもう、お前がやるしかないやんか!