駒大の団結力をより一層高めた出来事とは――。第99回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)の往路が2日に行われ、3冠を目指す駒大が5時間23分10秒で19年ぶり4度目の往路Vを飾った。
完璧な戦いではなかったが、際立っていたのが総合力の高さだ。昨年12月上旬にエースの田沢廉(4年)が新型コロナウイルスに感染。大八木弘明監督(64)が「スピード練習がやれるようになったのが、2~3週間くらい前。急ピッチでつくり上げた」と明かすように、決して万全な状態ではなかった。実際に、2区で起用された田沢は1時間6分34秒と奮闘こそしたが、中大の吉居大和(3年)、青学大の近藤幸太郎(4年)の後塵を拝してしまい、大黒柱でリードを奪う目算に狂いが生じた。
チームにとって一大事となりかねない緊急事態。だが、選手たちに動揺はなかった。全員駅伝で戦うしかない――。そう腹をくくった。
1区を任された円健介(4年)は「田沢が本調子ではないということで、今まで何回も田沢に助けてもらってきたので、自分たちがカバーしないといけない」と闘志を燃やして区間2位の激走。往路5区間で区間賞を獲得した選手こそいなかったものの、この円を始めすべての選手が区間5位以内でまとめ上げ、先頭で芦ノ湖のゴールに飛び込んだ。エースのアクシデントに動じるどころか、逆境をはね返す精神力の強さをチーム全体が見せて往路制覇につなげた。
今季は出雲駅伝、全日本大学駅伝で優勝。箱根駅伝でも頂点に立てば、チーム史上初の3冠となる。復路も8区の花尾恭輔(3年)、9区の山野力(4年)、さらには補欠登録の佐藤圭汰(1年)など有力選手がズラリとスタンバイ。悲願を成就させる態勢は整っている。
それでも大八木監督は「守りに入り過ぎず、ある程度攻めにいかないといけない。青学さん、中央さんも復路もそれなりにメンバーがいると思うので、攻めるレースをしていきたい」と強気に攻める姿勢を貫く構え。強じんな精神力を武器に〝平成の常勝軍団〟が令和の時代に新たな歴史を刻む。











