敏腕GMに提出されるレポートの中身とは――。今秋のソフトバンク宮崎キャンプに米大リーグ・パドレスからマイナーリーグ所属選手とコーチ、アナリストが派遣された。メジャーで日本人、NPBを経由した選手の活躍が目立つことに着目した同球団のA・J・プレラーGM(45)からの打診をソフトバンクが受け入れる形で実現したものだった。

 約2週間、日本式の練習法や「野球」のカルチャーに触れたパドレス一行は帰国後にレポートを提出。執筆責任者のパ軍3Aのマイク・マッカーシー投手コーチは「最大の発見」を次のように明かした。

「表向きだけじゃなく、日本人の内面的な部分を知ることができた。その中で、アメリカでプレーする選手たちよりも日本の選手たちの方が自分で考えてすすんで行動する。より能動的に動いていると感じた。それが日本の文化なのかもしれないが、すごく根づいている。野球に対する情熱の部分。それが印象的であり、一番の発見だった。向こうの選手たちも日本のような動きができれば、よりすばらしい〝ベースボール〟になるんじゃないかなと思った」

 マッカーシー投手コーチの経歴は異色だ。大学で生物学を研究、医学の道に進もうと考えたが、全米ドラフトで指名を受けて選手の道を選んだ頭脳派プレーヤーだった。「常に新たな情報はいろんなところから発信されている。それがかみ合わさった時にいいものが出る」。指導者に転向後は野球を科学する視点で、メジャーでも最先端のアプローチを続けてきた人物だ。今回の交流で、ソフトバンクは集積したデータをいかに効率よくアウトプットするかについて意見交換し、得るものがあった。一方でパドレスは「野球の原点」を知った。

 MLBでも影響力の大きいプレラーGM肝煎りのプロジェクトで、新たな化学反応が生まれた。