プロの世界で大きく羽ばたき恩返しをする。ソフトバンクのドラ4左腕・大野稼頭央投手(18)が5日、先月11日に急逝した村田兆治さんへの思いを胸に活躍を誓った。

 奄美大島の大島高校でセンバツに出場。夏は決勝戦で鹿児島実業に敗れたものの、全6試合を一人で投げ抜いて注目を集めた。そんな大野の原点となったのが、村田兆治さんが全国の離島の中学生に夢や希望、勇気を持ってもらうべく作った「離島甲子園」だった。

 中3時に長崎・対馬で行われた大会に出場しベスト4に輝いた。「そこで自信がついて高校野球に入っていけた。村田兆治さんには島の子たちに自信を与えてくれるような大会を作ってくださって感謝しています」。高校進学の際には仲間と島に残ることを決断した。「そこが(プロ入りできた)転機だったと思う」と振り返る。

 村田さんとは直接言葉をかわして激励もされている。「野球教室が大会前に開かれたんですが、そこで技術面やマウンドでの心構えとか教えていただいた」。今でも「自信を持ってマウンドに上がれ」とかけられた言葉は印象に残っている。

 また、村田さんは「人生先発完投」を座右の銘に掲げ、先発完投への強いこだわりを持っていたことでも知られる。大野もプロでの目標として、色紙に「全試合先発完投」と書いた。「村田兆治さんの言葉もリスペクトしながら、自分の一番自信のあるスタミナをアピールしていきたい」。

 1年前のドラフトでは、離島甲子園出場者では初のプロ選手として、佐渡島出身の巨人・菊地が育成ドラフトで指名された。開幕後、支配下に昇格した。村田さんが引退後に手がけたライフワークは確実に実を結んでいる。

「ずっと18年間、島で育ってきた。ずっと応援してくれている島の方もいる。今から野球を始める子も、している子もいる。島からでも活躍できるんだという姿を見せられるように頑張っていきたい」

 奄美大島が生んだタフネス左腕が、偉大なレジェンドへの感謝と島の誇りを胸に大投手を目指す。