巨人・原辰徳監督(64)が12日、72歳で11日に死去した元ロッテ・村田兆治さんを悼んだ。

 通算382本塁打を放った原監督にとっても、村田さんは特別な存在だった。鳴り物入りで巨人に入団し、1年目のキャンプでも好成績。この程度ならプロでも通用するんじゃないか…。そこで立ちはだかったのが「マサカリ投法」で知られた村田さんだった。

 初めて対戦したのは1981年、後楽園球場で行われたロッテとのオープン戦。結果は三ゴロ、三振、一邪飛の3打数無安打だった。「ちょっと鼻っ柱の強いルーキー」になっていたという原監督だが、村田さんの投球に伸びた鼻はボキリとへし折られた。

「見事に前に飛ばなかった。ボールが消える。何でこんな消えるボールを打てるんだろう。改めてプロ野球はすごい」

 原監督は入団前からまさにスター街道を歩んできた。しかし、プロの世界はそんなに甘くはない。それをプロの技でまざまざと思い知らされた一つの〝教訓〟が、村田さんとの対戦だったという。裏を返せば、そうした強烈な体験があったからこそ、原監督が大打者になり上がる〝原点〟となったのかもしれない。

「本当に実直、マジメなスーパーピッチャーでした。兆治さんの前に行くと姿勢が正しくなる先輩。ショッキング」

 現在は来季に向け、宮崎で秋季キャンプの真っただなかにある。時に厳しい顔をみせる原監督だが、この時ばかりはルーキー時代に思いをはせていた。