10月1日に死去した〝燃える闘魂〟アントニオ猪木さん(享年79)は、なぜか〝コスプレ〟好きだった。

 1998年4月に引退すると、その傾向は強くなり「ホームレス」やら「アラブの怪人」やらに変身し、リング内外に出没。プロレス・格闘技界に話題を提供してきた。中でも最大の〝ヒット作〟は「謎の白覆面」だろう。

 2000年5月5日の新日本プロレス・福岡ドーム大会で行われたIWGPタッグ戦で、永田裕志&中西学の王者組に挑戦した小川直也、村上和成組のセコンドとして衝撃の初登場。アゴの長い白覆面は柔道着に黒帯のいで立ちで何と試合にも介入し、中西に〝魔性のスリーパー〟を決めてしまった。試合後も永田&中西に加勢した長州力とつかみ合いとなり、ハチャメチャに大暴れした。

 ところが…福岡決戦翌日に本紙が「謎の白覆面は猪木さんではないか?」と直撃したところ、猪木さんは「知らないよ。オレに聞かないでくれ」としれっと答えている。いったい、あれは何だったのか? 同年4月の橋本真也戦で右肩を負傷し、白覆面に助太刀を仰いだ〝元暴走王〟は声を潜めてこう振り返る。

「あれはさ、会長と成田空港に帰ってきたとき、会長が『ウォーリーをさがせ!』(英国の絵本)のウォーリーに化けたことがあって…。『何人がオレと気づくと思う?』って言われるから『いくら何でもわかりますよ~』って答えたんだけど、なぜか会長だと気づかない新聞記者がたくさんいて…。誰がどう見ても会長なのに、オレはそれがびっくりだった。まあ、会長はそれで味をしめてしまい…ウォーリーがきっかけで白覆面につながるんだよ」

 ちなみにこの時の「白覆面」は、特注で制作したものだという。元暴走王の解説によると、師匠のコスプレ好きは「人間って、変わることができる、実際に変われるんだぞって話をされていたから、オレは(白覆面も)会長からのメッセージだと受け取っている」とのことだ。