札幌市が2030年冬季五輪招致を進める中、〝ライバル都市〟が動向に注目している。

 1972年以来58年ぶりの開催を目指す札幌市は日本オリンピック委員会(JOC)とともに、「北海道・札幌2030オリンピック・パラリンピックプロモーション委員会」を設立。先月27日には第5回委員会が開かれるなど、実現に向けて活動を重ねている。

 ただ、東京五輪・パラリンピック組織委員会元理事の高橋治之容疑者が受託収賄の疑いで逮捕された事件が波紋を広げ、五輪のイメージ悪化を招いている状況。それでも同じく候補地の米ソルトレークシティーに拠点を置くメディア「デゼレトニュース」は、「贈収賄スキャンダルの影響にもかかわらず、最有力候補地とみなされているのは札幌だ」と報じた。

 同メディアは複数の識者の声を紹介。カナダに拠点を置き、五輪の招致ビジネスを分析する「ゲームビッズドットコム」のロバート・リビングストン・プロデューサーは、「国際オリンピック委員会(IOC)は30年札幌、34年ソルトレークシティーが理想的だと思っていると思う。現在の状況ではうまくいくと思う」と述べている。

 五輪ニュースを中心とするアルゼンチンメディア「アラウンドザリングス」の創設者エド・ラフ氏は「今でも札幌だと思う」と、きっぱり。開催地の正式決定が来年秋に先送りとなったことを挙げて「IOCは時間がイメージ悪化を修復することを望んでいる。それ(先送り)は手助けになるかもしれない」と話した。

 一方、米フォーダム大のマーク・コンラッド教授は「まだ(札幌で)決まったとは思っていない」と反対意見を提示。「(決定に)時間がかかるほどソルトレークシティーにとってはいいこと。IOCは国民の反応と批判を非常に懸念している。向こう(日本)で何が起こるか見てみよう。反対する声はたくさんある」と語った。

 招致を検討していたカナダ・バンクーバー市の地元ブリティッシュコロンビア州政府は「招致への支持を取りやめる」との声明を発表。今後、撤退した場合は候補地が札幌とソルトレークシティーに絞られる。〝北の大地〟の支持率はどう変動していくのか。