フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第2戦カナダ大会(28日~30日)を前に、女子の横井ゆは菜(22=邦和みなとSC・中京大)が学生ラストシーズンへの思いを明かした。
「とにかく試合に出たくない」。昨季の横井は精神的に追い詰められていた。GPシリーズは第1戦アメリカ大会と第5戦フランス大会の出場権を手にした一方で「調子が全然上がらず、ジャンプが不安定で成功できる確信を持って跳べるジャンプが全然なかった」。調子がよかったころの自分と比べてしまい「トップで戦っている人たちの中にも入りたくなかった。劣等感がすごい出てしまっていて、恥ずかしかった」と振り返る。
心はすでに限界を迎えていた。アメリカ大会のショートプログラム(SP)では最下位の12位発進。「実力のない自分が大きな試合に出ることがキツかった」と涙があふれ出た。「フリーの日の朝、公式練習の滑りで調子が悪くて、ホテルに帰って2時間半くらい泣きやむことができなかった」。ただ、欠場はしなかった。心の底には逃げたくないという思いがあった。「今この精神状態でも乗り越えられたら自分を褒めてあげられる」。ボロボロの中でも、最後まで懸命に戦い抜いた。
どん底を味わったあの日から1年。横井は再びGPシリーズの舞台に帰ってきた。大学生活の全てをスケートにささげてきた4年間の集大成となるシーズン。「区切りをつけるかもしれないってなった時に、スケートの試合が嫌だっていう思いで終わりたくない」。広いリンクの中で大歓声を浴びる機会は、日常ではほとんどない。「これをあと何回経験できるんだろうとかを意識することによって、吹っ切れることがあるのかなと。最後を意識することによって、なんとか乗り越えられる」と必死に前を向いている。
怖いという気持ちがないと言えばウソになるかもしれないが、もうやるしかない。「『やっぱりゆは菜ちゃんがやってくれるってわかっていたよ』と思ってもらえるような演技をすることが目標です。『頑張った! 耐えた! 耐えたぞ、ゆは菜!』みたいなのを見せられたらいいなと。それが私らしいのかなって思います」。後悔のない滑りで充実したシーズンにするつもりだ。











