日本シリーズ第3戦が25日に京セラドーム大阪で行われ、セ覇者のヤクルトがパを制したオリックスに7―1で快勝した。5回に今シリーズ不振だった山田哲人内野手(30)に先制3ランが飛び出すなど、終始圧倒。対戦成績を2勝1分けとし、2年連続日本一に大きく前進した。

 苦しんでいた山田が一振りで決めた。「真っすぐをしっかり狙って、しっかりミートしよう」と臨んだ5回二死一、二塁の第3打席で相手先発・宮城の2球目、147キロを一閃。日本シリーズ通算5本目となる先制の1号3ランで、球団記録を更新した。ダイヤモンドを1周する際も笑顔は見せず、試合後のヒーローインタビューで、ようやく復活ののろしとなる一発に「素直にうれしいです」と少しだけ頬を緩めた。

「3番・二塁」で出場していた前2試合は10打席連続ノーヒット。打順は1番に変わった。初回は三ゴロに倒れたものの、3回二死走者なしの第2打席は二塁左への打球に全力疾走。これが内野安打となり、眠っていた感覚が目覚めたのかもしれない。

 高津監督は山田の1番起用について「昨日の夜から悩んでて…(山田)哲人をどうしようかなと思ってて、何かきっかけをつくらなきゃいけないと思って。朝、起きた瞬間に1番にしようと思った」と〝舞台裏〟を明かした。高津政権下で初めて山田を1番に据えた8月14日のDeNA戦(神宮)で先頭打者アーチを放っていることも「チラッと考えてました」。その際も直前の7試合で22打数1安打と苦しんでいたが、9試合ぶりの複数安打で指揮官の期待に応えた。

 山田にとって〝幸運の打順〟でもある。昨夏の東京五輪では全5試合で1番に座り、打率3割5分、1本塁打、7打点、3盗塁と大暴れ。大会MVPにも輝いた。今季の1番起用は計3試合で、今回は8月21日の中日戦以来だったが、本人も「1番打者というのには慣れている。違和感なく試合に入れた」という。

 日本シリーズで初戦から引き分けも含めて2連勝したチームの日本一確率は76%超。それでもツバメ軍団を引っ張る立場のキャプテンは「まだ2勝しただけ」と気を引き締めていた。