DDTのKO―D無差別級王者・樋口和貞(33)が覚醒した。

 23日の後楽園ホール大会ではV4戦で〝荒鷲2世〟こと坂口征夫(48)と対戦。7月まで所属したユニット「イラプション」の元盟友で、2019年に右膝前十字靱帯断裂の重傷を負った時に引退を踏みとどまらせてくれた恩人を前に、さまざまな感情を抱きながらリングに上がった。

 だが、そんな王者の気持ちを見透かしたかのように、序盤から挑戦者の厳しい攻撃が続いた、いきなりのスリーパーから、エプロンでの三角絞め。さらに場外でも胴締めスリーパーでたたみかけられた。

 その後も征夫の強烈な蹴りを浴びると、ついに樋口の目が覚めた。「調子に乗るな!」と言い放つや、ショートレンジのラリアートでなぎ倒す。強烈なぶちかましを浴びせてチョップの雨アラレで追撃するや、最後は目に涙を浮かべたまま強烈なブレーンクロースラムが決まり、文句なしの3カウントを奪った。

 試合後、会場四方に深々とおじぎをした樋口に対し、坂口は「吹っ切れたみてえでよかった。お前なら大丈夫だよ」とねぎらいの言葉をかけた。

 セコンドの肩を借りてリングを後にした挑戦者を見送った樋口は「坂口征夫との戦い、たどり着くまで肉体的にも精神的にもしんどかった。でも、それを乗り越えて今、KO―Dのベルトを持っているのは樋口和貞です」と胸を張った。

 これで遠藤哲哉、竹下幸之介、青木真也、そして征夫を退けV4に成功した樋口は、シングルのリーグ戦「D王 GRAND PRIX 2022」(11月1日、後楽園で開幕)に王者での出陣が決定。「しんどいだろうけど、今日を乗り越えたからにはいかないと。チャンピオンとしていかないとなと思います」と表情を引き締めた。