【取材の裏側・現場ノート】またも「王国」の壁にはね返された。卓球の世界選手権団体戦(中国・成都)で、日本女子は決勝で中国に0―3で敗れ、4大会連続の銀メダル。選手たちは絶対王者との〝距離〟を肌で感じつつ、2024年パリ五輪に向けてリベンジに燃えている。
完敗を認めるしかなかった。相手に大歓声が送られる〝完全アウェー〟と化した会場で日本は1点どころか、第2試合に伊藤美誠(スターツ)が王曼昱から1ゲームを奪うのがやっと。木原美悠(エリートアカデミー)は東京五輪シングルス金メダルの陳夢に、長崎美柚(木下グループ)は同銀メダルの孫穎莎にそれぞれストレート負けを喫し、改めて実力差を見せつけられた。
伊藤とWエースで日本をけん引した早田ひな(日本生命)は、左上腕三頭筋を痛めた影響で起用されなかった。それでも大一番のコートに立てなかった悔しさを顔に出すことなく、仲間に声を掛けた。
試合を見守った早田はこう振り返る。「ベンチから(中国との)試合を見るのは4年前の(世界選手権団体戦)決勝以来。その時はとにかく応援することに意識がいって、今回はベンチでのアドバイスも含めて中国人選手に対してどういったらいいか、自分の中ですごく考えながら試合を見ていた」
対峙していないからこそ、相手が繰り出す精度の高いプレーを感じることもあったという。「後ろから見ることはなかなかないので、そういったときに(ボールの)高さや低さ、長さや短さ、遅さや速さが1本、1本違うなと。自分たちがこうしようと思って私がアドバイスしても、それが実行できないような中国人選手の技術を感じた」
一方、長崎は試合を通して中国選手のメンタリティーに注目した。「中国は(何度も)優勝していて私たち以上に緊張感や責任感があったと思うんですけど、その中でも大事な場面で一本入れることや戦術を考えていて精神的な強さを感じました」。主将を務めた佐藤瞳(ミキハウス)も「改めて団体戦にかける思いをすごく感じて、国として絶対に負けられないという思いがプレーにつながっていると思った」と語っている。
なかなか中国との距離が縮まらない。だが、卓球ニッポンは何度でも立ち上がる。早田が「(中国の技術力は)第三者(の視点)から見て思うのでプレーしているときはより難しいと思うけど、挑戦していきたい」と話せば、長崎も「技術的な面でも精神的な面でもまだまだ対抗できるほどの実力はないと感じたので、次は実力をつけて中国を倒したい」ときっぱり。〝卓球王国〟の牙城を崩し、五輪、世界選手権で頂点に立つ姿が楽しみだ。
(五輪担当・小松 勝)












