中日・立浪和義監督(53)が、今年6月に国内フリーエージェント(FA)権を取得した高橋周平内野手(28)の残留&完全復活を熱望している。

 今季の高橋周は左足首の捻挫で開幕一軍入りを逃し、4月29日に遅れて昇格。しかし、右脇腹を痛めて7月17日に抹消され、9月8日に一軍再昇格したが、結局、今季は78試合に出場して打率2割4分9厘、2本塁打、21打点と不本意な成績で終えた。

 それでも来季は三塁レギュラーとして返り咲きを心待ちにする立浪監督は、10日から開幕する秋季教育リーグ「みやざきフェニックス・リーグ」の参加メンバーに、プロ11年目でFA権取得選手の高橋周を4年ぶりに異例の抜てき。「まだ若いし、周平の野球人生もこれから。FAを取ったということもあるが、それは本人がこれから決めること。こっちは残ってもらえるという前提でいる」と残留に期待を寄せている。

 さらに「まだまだここで終わらせちゃいけないと思っている。本人も苦労しながらいろいろとやっていった中で、何かこれっていうのを今からつかんでほしい。実戦で固めて、さらに沖縄(秋季キャンプ)でもう一回やろうと。本人もやる気になっている。キャンプに来てからではなくて、来年同じことになってはいけないので、あえて周平は(宮崎へ)行かそうと思った」と力説する。

 今季は3年目の石川昂が三塁でプロ初開幕スタメン起用され、高橋周は本職の三塁から二塁へコンバートされた。しかし、石川昂が5月に左ヒザ前十字靭帯(じんたい)不全損傷で離脱したため、再び三塁に戻りながらも遊撃や二塁に就いたりと流動的だった。

 そこで指揮官は宮崎では「基本、サードでやらせる。サードはうまいんでね。セカンドはチーム状況もあってやらせたが、サードもまた競争になる」と言及。来季について「セカンドになる可能性はない。セカンド、ショートは守備範囲を含めて動ける選手を何とかつくっていきたい」と三塁一本で勝負させる方針だ。

 来季もチームに残留することが確実視される高橋周だが、再建手術を受けて来季中の復帰を目指す石川昂らとの三塁レギュラー争いは必至。中日で再び正三塁手として輝きを取り戻せるか。