CS争いのライバルである巨人、広島に先んじて、進出圏内の3位を死守している阪神は、10月2日に本拠地・甲子園のヤクルト戦のラスト1試合を残すのみ。29日現在では、確率的には3チームのなかで優位に立っているが、もちろん楽観視はできる状況にはない。

 来季の新監督に岡田彰布氏(64)の就任が内定したなか、今季限りで退任する矢野燿大監督(53)にとっては、就任4年間の〝集大成〟となる一戦になりそうだ。大一番で良くも悪くも改めて〝注目〟されることになるのが「イチにカケル!」の今年のチームスローガンだ。

 昨年末に発表した際、指揮官は「一球一打、一瞬にこだわり…もう1勝、そして一番、上(優勝)へという思いも込めています」と〝イチ〟の由来を説明。昨季は12球団最多の77」勝を上げながら、結果的には「あと1勝」に泣いた教訓を生かす意味も込められていた。しかしそんな意気込みもむなしく今季は頂点には遠く及ばずV逸「あと1勝」をモチベーションとして唱えられるのは、現状では、3位確保にむけた最終戦のみとなっている。

 最終戦勝利でCS圏内を確保すれば、在任期間中はすべて3位以内のAクラスを確定させる。第14代の藤本定義監督(1966年途中~1968年の2、2、3位)以来54年ぶりとなり〝あと1勝〟は数年後の未来において、矢野政権が検証されるようになった際の歴史的評価にも関わりそうだ。

 もちろん〝その逆〟もしかり。仮に4位以下のBクラスで「終戦」ともなれば、順位は違えど昨年と同様に「あと1勝を欠いた」1年として総括される可能性は高い。昨年の同じ轍を踏むわけにはいかない矢野監督にとっては文字通り、のるかそるかの大一番となる。