次期監督に岡田彰布氏(64)の就任が内定した阪神では、藤浪晋太郎投手(28)が今オフ、ポスティングシステムを利用して米球界挑戦を志していることも27日までに判明した。すでに昨年の契約更改の段階までに、球団側も今オフ以降、メジャー挑戦に向け、話し合いを行うことで認識を一致させており、情報をキャッチしたメジャー側も、早い段階から調査を進めていることも分かった。オフの動向が新たに注目されている。

 激動のオフとなりそうだ。今季、2年連続の開幕投手を務めた藤浪は、シーズン序盤こそコロナ感染などもあり、実力を発揮しきれず、交流戦では中継ぎに回っていたが、8月のシーズン後半戦から、本領を発揮した。

 一軍の先発舞台に復帰した8月6日の広島戦(マツダ)で7回途中1失点の好投を披露後は、チーム防御率2・69とセ・リーグナンバーワンのレベルの高さを誇る阪神先発陣の一員に定着。以降は、先発した7戦で6試合で6回3失点以下のクオリティースタートを記録するなど〝完全復活〟を印象づけた。

 最後の先発機会となった9月18日の広島戦まで、先発では2勝4敗と勝敗こそ負けが先行したものの、投球内容は格段に飛躍。長年、苦しんだ制球面の課題も克服した姿に加え197センチの長身から投げ込む、150キロ台後半の剛速球と、140キロ台の鋭く落ちるスプリットが冴え、NPBの打者を圧倒する場面も多く見られた。

 実際、このころから、藤浪の先発登板日のネット裏には、メジャースカウト関係者が訪れるようになっており、復活・進化を遂げた右腕は、米球界関係者の間でもその評価を上げていた。複数の米球界関係者によると、すでに藤浪は今オフにも米球界挑戦の意向を持っており、昨オフまでに球団側にも、将来的なポスティングシステムによるメジャー移籍の希望を伝え済み。今オフにも改めて「話し合い」の場を持つことで一致しているという。

 9月以降の終盤戦の先発日には、敵地・本拠地にかかわらず、多くのメジャー関係者が視察のためにネット裏に集結した。最後の先発となった18日のヤクルト戦(甲子園)では、パドレス、ダイヤモンドバックス、ドジャース、メッツ、レンジャーズなどが右腕を視察。それまでにも計10球団以上が視察を済ませており、中には獲得にむけた編成権を持つスカウト幹部が米国からはるばる来日し、視察を行った米球団もあった。

 すでに米球界では、今オフにも「大谷翔平(エンゼルス)の同級生で、ライバルでもあった男が23年シーズンはMLBでプレーするかもしれない」という話題は、多くのスカウト関係者が共有するところとなっている。

 もちろん、ポスティングは球団側の権利でもあり、今後は、本人と球団との会談次第となる見込み。藤浪と球団側の今オフの話し合いが円満に進み、今オフに阪神が藤浪のポスティング移籍を申請すれば、球団としては、2006年オフにヤンキースに移籍した井川慶以来、16年ぶりとなる。今オフの藤浪の動向ががぜん、注目されている。