阪神・伊藤将司投手(26)が7日のヤクルト戦(甲子園)に先発し、5安打1失点で完投勝利。チームの連敗を3で止め、9勝目をマークした。左腕はこれで本拠地・甲子園で10連勝。小林繁が1979年から80年にかけて達成した快記録にも並んだ。
筋金入りの「技巧派」伊藤将の魅力がたっぷり詰まった111球だった。精密な制球力でゾーンの内外角&高低を存分に使い分け、ヤクルト打線をテンポ良く料理。〝村神様〟も遊飛、見逃し三振、二ゴロ併殺打と3タコでシャットアウトし「気持ちいいですね。梅さん(梅野)のリードを信じて投げた結果、完投できました」と試合後はお立ち台で笑顔を見せた。
この日はけん制で2度、一塁走者を刺した。フィールディングにも定評があり、今季ここまで17試合に先発登板し失策数はゼロ。打球反応の良さや、冷静沈着な状況判断、けん制の巧みさも「勝てる投手」伊藤将の大きな武器だ。
これらの基礎は、横浜高在籍時代にみっちりと鍛え上げられたもの。伊藤将の恩師、横浜高野球部の渡辺元智元監督は「横浜高の守備練習は、投手のフィールディングに徹底的に重きを置くことが伝統です。ウチの野球はなんといっても投手中心ですからね。ケース守備などでも『一死一塁から打者に犠打そのものを許さない』『一、二塁の場面から犠打→必ず三封を狙う』などありとあらゆる状況を想定した上で猛練習を積ませてきました。松坂(大輔氏=元西武)、涌井(秀章=現楽天)、成瀬(善久=現BC栃木)にもそうさせてきましたし、伊藤将も当然同様です」と、そうそうたる同校OBたちの名を挙げ説明する。
松坂氏は7度(投手部門ではパ・リーグ史上最多)、涌井は4度、ゴールデン・グラブ賞(GG賞)に選出されたが、これも名門・横浜高の伝統があってこそ。渡辺元監督も「まずは規定投球回数到達が必要になりますが、伊藤もGG賞をとってくれればうれしいですよね」と大いに期待を寄せる。
同賞選出のためには、先発投手なら規定投球回数(143回)到達が前提条件となる。新型コロナウイルス感染の影響で約1か月半、戦線を離脱していた左腕だが、この日リーグ単独トップとなる6完投目をマークしたことでその可能性も大いに出てきた。今季残り3試合に先発登板見込みで、あと18回1/3。伊藤将も「規定(到達)までもう少し。あとひと踏ん張り頑張りたい」とルーキーイヤーの昨季には果たせなかった規定投球回数到達へ意欲を燃やしている。











