末恐ろしい20歳だ。中日・高橋宏斗投手が13日のDeNA戦(バンテリン)で7回1安打1失点と好投したが、味方打線が散発4安打無得点と沈黙し、無念の6敗目(5勝)を喫した。立浪監督が「宏斗には申し訳ないという試合になった」と野手陣に猛省を促した若き右腕について、本紙評論家の中日OB・前田幸長氏は「将来は何年も続けて開幕投手を張れる。メジャー行きの切符も持っている」と太鼓判を押した。
またも打線に見殺しにされた。中8日で先発した高橋宏は、5回まで一人の走者も許さないパーフェクト投球。6回一死から四球を出したものの6回まで無安打投球は継続した。7回に先頭の関根に二塁打を許し、野選で1点こそ失ったが、堂々のわずか1安打でマウンドを降りた。
これまで何度も好投しながら打線の援護に恵まれず、なかなか勝ち星が伸びない右腕だが「1点勝負になると思っていた。先に点を与えてしまい流れを持ってこれなかった。自分が今回は敗戦投手となっているので、それだけ責任はあると思う」と自身だけを責めた。
それでも立浪監督は「どこの球場で投げても、そう打たれることがない。間隔を空けながら、ここまでよく投げてくれている」と及第点を与えた。
そんな高橋宏の投球を前田氏は絶賛。球団の日本人では最速となる158キロの記録を持っているが「球が速いのもそうだが、とにかく低めの直球が垂れない。最後まで低めの直球が、あそこまでピッと伸びてくる投手はそうはいない。中日で言えば、川上憲伸のようにボールの質は一級品」と唸る。さらに「スプリットなどの変化球もキレが鋭くて、ストライクを取るのに困らない。空振り三振を取れるウイニングショットを持っているのは大きな武器になる」と目を細める。
底知れぬポテンシャルを秘める高卒2年目右腕は、竜のエースとなる資格は十分。前田氏は「いずれ開幕投手を何年継続できるかというほどの投手になるはず。いきなり来年から任されてもおかしくない。巨人で言えば、上原浩治や斎藤雅樹さんのように絶対的な存在になれる器はある」と期待を込めている。
心配なのは〝壁〟だけ。「まだ大きな壁にブチ当たっていない。怖いもの知らずでとにかく必死に腕を振っているが、今後は調子が悪い時や、うまくいかずに打たれまくって壁にぶつかる時が必ずくる。その時にどう乗り越えるか進化が試される」と言いつつも「現状、これだけ打線に援護してもらえていない状況が続いている。これまでの投球内容ならすでに10勝していてもおかしくない。そのへんはつらい思いをしているだろうし、ある意味、壁にブチ当たっているかもしれない」とも。
とはいえ、スケールの大きさは破格だ。「未知数ではあるが、将来のメジャー行きの切符を持っている選手。それぐらい期待できる。松坂大輔や上原のように成功できる」と前田氏は熱視線を送っている。












