いよいよ新日本プロレスと米AEWの合同興行「Forbidden Door」(26日=日本時間27日、イリノイ州シカゴ)が迫ってきた。続々とカードが決まり世界中で注目が高まる中、本紙はAEWのトニー・カーン社長(39)を直撃。団体を急成長させた世界的大富豪のカーン社長は、〝原点〟ともいえる日本のプロレスにどんな思いを抱くのか。また、日本進出の可能性は? 気になるテーマについて激白した。

 ――旗揚げから3年

 カーン社長(以下カーン) ビジネス的にも成功しているし、観客動員、PPVの売り上げで記録を伸ばし続けている。「AEW DYNAMITE」を(米国の)TBSが放送してくれていることが大きな要因だと思う。会社として大きくなってきたし、さらに新しいやり方を探していきたい。

 ――WWEとの競争も激化している

 カーン 最初は大きな差があったが、努力の結果、観客動員は差が埋まりつつあるし、視聴率も伸びている。我々のよかった点は国際的な成長を短期間で遂げたことだと思う。世界130か国でAEWの試合が見られるし、新日本との関係により日本での立場を強化できた。それが合同興行開催につながった。AEWの誕生はプロレス界にとってとても大きな刺激であり、いい影響を与えたと思う。

 ――日本のプロレスについての印象は

 カーン 最初に私がプロレスを見たのは、今AEWを放送しているTBSなんだ。8歳くらいの時に見たWCWに藤波辰爾が出ていたし、その後も多くの日本人を見た。馳浩、佐々木健介、橋本真也、獣神サンダー・ライガー、グレート・ムタ…。インターネット仲間と動画を交換したりしていた。WAR、みちのく(プロレス)もよく見ていたよ。1995年のクリス・ジェリコとウルティモ・ドラゴンの試合は今も私に影響を与え続けてくれているよ。

 ――ファン歴は長い

 カーン 特にジュニアの選手が好きだった。例えばケニー・オメガ、飯伏幸太、それにプリンス・デヴィット(現フィン・ベイラー)。新日本を見続けていて、2013~15年の「G1クライマックス」は特に盛り上がっていたよね。もちろんAEWができるきっかけとなったケニーとジェリコの試合も特別だ。だからこうして新日本と一緒に仕事ができるのはうれしい。

 ――合同興行のコピーは「プロレス世界一決定戦」だ

 カーン 世界で最も偉大なレスラーたち、世界で最高の2つの団体を見せる場になる。新日本という会社にもレスラーにも敬意を抱いているし、AEWの選手とすごい試合を繰り広げてくれると確信している。

 ――特に注目している日本人レスラーは

 カーン やはり棚橋(弘至)はカリスマでレジェンドで、業界を引っ張る人間だ。とてもハートが強い。オカダ(カズチカ)の名前も外すことができないだろう。新日本の歴史を語る上で欠かせない存在だし、サイズもカリスマ性もある。技術も高いコンプリートパッケージレスラーだ。彼らがAEWの選手と戦うんだから、素晴らしい大会になるのは間違いない。

 ――今後の日本との関係は

 カーン プロレスにおいて日本は世界で最も価値のあるマーケットだと思う。日本のファンはとても多く、頭がよく、情熱的だ。AEWもいいファンベースを築くことができるだろう。

 ――日本で大会を行う意向は

 カーン まだ他国で大会を行ったことがないけど、世界中にAEWを届けることは試みたい。もちろん日本で大会をやりたいし、やるなら新日本の選手もたくさん招きたい。AEWの大会をやりたい国のリストの中に、確実に日本は含まれているね。

(通訳・中澤マイケル)

☆トニー・カーン 1982年10月10日生まれ、米国・イリノイ州出身。父はパキスタン系米国人の大富豪シャヒド・カーン氏。父と共同でNFLジャクソンビル・ジャガーズやイングランドプレミアリーグ・フラムのオーナーを務める。2019年1月にAEWを立ち上げ、同年5月に旗揚げ。社長として同団体を飛躍的に成長させている。