第104回全国高校野球選手権第12日の準々決勝第2試合は近江(滋賀)が高松商(香川)との接戦を7―6で制し、3季連続ベスト4進出を決めた。夏通算20勝とし、多賀監督の63歳の誕生日を勝利で飾った。

 激戦だった。2点リードで迎えた3回にエース山田陽翔(3年)は注目スラッガー、浅野(3年)にバックスクリーンに同点2ランを浴びるが、その裏に大橋の左前適時打で勝ち越し。再び同点とされた5回にはまたも大橋の中前適時打で4―3と勝ち越し、6回にも1点を加えた。疲労の色が隠せない山田は7回に制球が乱れ、一死一、二塁の場面で浅野を迎えると申告敬遠。その後も踏ん張れず、3失点で5―6と逆転を許してしまう。

 このまま終われない。近江はその裏、一死二塁から津田(3年)の執念の同点適時打と二死三塁から中瀬(3年)の勝ち越し適時打が飛び出し、灼熱の死闘に決着がついた。

 ウイニングボールを山田から受け取った多賀監督は「私の生涯の記憶に残る、忘れなれない試合になった。大変幸せに思う」と目を細め、7回の申告敬遠の場面を「山田は状態も悪かったし、(浅野に)3打席いかれていた。勝負したかったと思うけど、私の指示でした。この試合、負ければ私のミスでした」と振り返った。

 右足太もも裏がつりながらも8回途中を9安打6失点、136球を投じた山田。2ランを浴びた浅野を「投げミスではなく、浅野君の完ぺきな打撃。あの弾道でいかないと思ったけど、パワーで運ばれてしまった。大会ナンバー1バッターと対戦できて、得たものがすごく大きかった。味方にいても心強い」と称賛。試合後には「ナイスバッティング。さすがやわ」とライバルに声をかけ、健闘をたたえ合った。